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シリーズ「くみあい百景」

地域への感謝の気持ちを込めて葬儀のお手伝い

協同組合大東ショッピングプラザ

住所:〒437-1421 掛川市大坂539番地
理事長:後藤憲志
組合員:15社
設立:平成60年3月
TEL:0537-72-5777
FAX:0537-72-5743

 

組合設立経緯

店舗全景写真

静岡県下には、葬儀社でなく地区内の中小商業者で構成する“葬儀等の共同受注事業”を行う組合が、主に西部地区を中心に4組合ある。

そうした中で、平成18年11月同事業を立ち上げた唯一の共同店舗組合である協同組合大東ショッピングプラザの後藤憲志理事長と面談して現況を取材した。

昭和57年当時、近隣市町に大型店、ミニスーパーの出店が相次ぎ、かつモータリゼーションの急速な普及に伴い消費者は駐車場を有する大型店志向が根強く消費者の町外(旧大東町)流出が深刻な問題となっていた。

そうした中で県と旧大東町の支援を受けて新商業計画策定推進事業を実施したところ、商工会の商業部会が中心となり町内の消費者ニーズに対応できる共同店舗とコミュニティー施設をドッキングした新たな商業集積の場(コミュニティー・マート)の建設が提案されたという。

そこで地元小売業者26名が賛同し昭和60年3月組合を設立、その後共同店舗とコミニティ施設が昭和62年12月にオープンしたが、最終的に店舗に入居したのは18名(現行15名)の組合員であったという。

厳しい周辺環境打開

後藤理事長(左)と金原葬祭部長

共同施設が完成した当初業績は好調であったものの、その後周辺にジャスコ浜岡店・大須賀店、掛川ユニー、ユニクロ、赤のれん、しまむらが続々と進出したことにより、経営環境は一段と厳しくなり、特に衣料等の買回品関係を販売する組合員への影響が顕著に現れた。

おりしも平成12年県中央会は東遠地区内の中小商業者を集め、葬儀等の共同受注事業を積極的に展開する“あらい商工葬祭協同組合”の当時の理事長疋田実男氏から活動事例を聞く機会があった。

葬儀に伴う関連商品の納品と葬儀運営サービス等の事例報告を聞いて「我々も努力しなければいかん」と大変刺激になり、内々に研究してきたという。

特に刺激を受けたのが、香典返しの品、籠盛、生花、精進料理等の納品実績だけでなく、葬儀の段取りから当日の運営まで組合員が分担し行う姿勢“地域住民への感謝の気持ち”であったという。

そこで本組合は、平成15年県中央会の補助事業を活用し、専門家の助言を得ながら葬儀に関する来店者アンケート調査を実施し、また投資・収支計画を作成した。

これら資料に基づいて組合員を説得する会合を重ねて平成18年11月27日臨時総会を開催し葬儀等の共同受注事業の追加による定款変更を決議、平成18年11月30日静岡県の認可を受けたという。

また、後藤理事長は、本組合の強みは組合所有のイベントホールを葬儀会場として活用できる点にあり、その結果、初期投資が小額で済んだお陰で会場費等の葬儀一式価格を低く設定できることにあると語った。

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活動実績

(左)鈴木事務長 (右)葬儀会場(イベントホール)

当該地区の葬儀事情は、農家が多いこともあって古くから農業協同組合のシェアーが高く苦戦しているが、金原秀樹葬祭部長(前理事長・現理事)を中心に、来店者や関係先にパンフレットを配布するなど地道なPR活動を組合員が手分けして行っている。

その努力が徐々に実り、平成19年度実績、組合ホール葬3件、自宅葬4件、受注高は535万円、20年度実績、組合ホール葬3件、自宅葬8件、初盆等法事14件、受注高は894万円と徐々にであるが伸びているという。

また、葬儀等の共同受注を積極的に展開して行くためには、金原葬祭部長を補佐できる葬儀事情に精通した人材が必要であるとして探していたところ、平成19年10月縁あって葬儀社に勤めていた経験豊富な鈴木延行氏にめぐり会うことができ事務長として迎い入れたという。

後藤理事長は、共同店舗組合の事務長と24時間休みがないような葬儀事業の事務責任者と実に大役であるが、中小商業者の生き残りを掛けた模範組合となれるよう鈴木事務長には頑張って欲しいと期待を寄せていた。