google

クローズアップインタビュー

自治体に防災情報管理システムを提案
さらなる行政サービス向上担う

静岡地理情報システム協同組合
藤山義修 理事長

“地理情報システム”(GIS=Geographic Information System)。一般にはなじみの薄いことばだが、その技術は広く社会に浸透している。

「例えば、音声などを用いて現在地や走行経路を案内するカーナビ、高速道路のETC、タクシーの配車システム。いずれもGISの技術が応用されているんですよ」。

平成13年に建設測量コンサルタント9社で設立した協組の理事長に、昨年就いた。組合では、道路や河川、上下水道、建造物といった共用空間データに、施設の管理情報、都市計画、地籍などの個別データを重ね合わせた統合型GISを開発。県や市町を対象にセミナーやデモンストレーションを積極的に展開し、システム受注の実績を上げてきた。

「今までバラバラに管理されていたアナログ情報をデジタル化、一元化することで、多角的な分析や迅速な判断が可能となる。行政サービス向上の一端を担う重要な業務です」と組合事業の社会的使命を自負する。

就任2年目を迎え、注力するのが、総合的な防災対策に役立てることを目的とする、自治体向けの防災情報管理システムの提案である。

その一例がここ数年、全国各地で頻発する局地的で短時間に猛烈な雨を降らせる“ゲリラ豪雨対策”だ。

「自治体が管理する河川台帳とGISを連動させることで、氾濫までの時間や浸水域、浸水地域内の高齢者率に至る多くの情報が得られ、住民の避難誘導を迅速かつ効率的に図ることができます。いまやGISなしでは、防災計画は成り立たない、といっても過言ではありません」。

視線の先には更なる青写真がある。

「今後、環境や交通、福祉など、社会生活全般でGISの重要性が増してくる。これらに対応するため、組合として新たなシステムや応用技術の研究開発に積極的に取り組み、実績を積み上げていきたい」。

浜松市に本社を置く(株)フジヤマの社長。昭和42年に先代が測量業として興した同社は、都市計画などの「コンサルタント部門」、航空写真や環境アセスメントなど「測量・調査部門」、GISの「地理情報部門」を擁し、有資格者延べ320人を誇る県内屈指の建設総合コンサルタントだ。

「各部門を有機的に結びつけ、知識や情報を共有・蓄積することで、相乗効果が生まれる」と自社の強みを語るとともに、「背伸びをせず、見栄を張らず、できることを着実に行う」ことの重要性も強調する。

月に1、2回楽しむゴルフ。

「練習もせずいきなりコースに出るので、なかなか上達しなくて。思うようにならないところがゴルフの魅力かな」。