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組合トップセミナー2008・新春賀詞交歓会
「今こそ勇気ある挑戦」テーマにプロジェクトX国井キャスター講演

トップセミナー講演

平成12年3月に始まった同番組は、17年12月まで5年9ヵ月にわたり、187話が放映された。

「企画段階でリストアップした素材(プロジェクト)は40本程度で、ちょうど、1年分。正直、われわれスタッフですら、1年もてば上出来、と考えていた」。

青函トンネル、瀬戸大橋、東京タワー、新幹線に代表されるビッグプロジェクト、VHSビデオテープレコーダーやカップヌードル、マツダのロータリーエンジンなど画期的な商品開発に加え、豊田商事事件に携った弁護士や南極観測隊員も取り上げた。そのほとんどは無名の人々だ。

「アナウンサー2人を含め、番組スタート時のスタッフは総勢11人。その全員でアイディアを出し合い、議論を重ね番組をつくり上げた。第一回放送は、難工事を極めた富士山レーダー。男の汗と涙の物語が、若い女性に受け入れられるのか。番組に華が欲しい。そこで大物女優をゲストに起用した」。

放映前に完成した番組を性別年齢問わずモニター調査した。概ね好評だったが、中年の女性から、女優をゲストに使う必然性があるのか、主人公本人を番組に呼んで話をきいたらどうかとの意見が出された。素人がスタジオで語れるのか、逆効果になるのではと当初は反対する。しかし、その意見こそが成功の秘訣だったのだ。

「当時の昔話ではない、今、その主人公がどんな顔で語るのか。それを引き出すには、複雑で陳腐な質問など必要ない。本気になって出演者に向かうだけ」。

アナウンサーは、出演者と一切の打合せを行わない。スタジオで初めて両者が顔を合わせる。また、出演者は、事前にVTRは見ていない。

「スタジオで初めて見るVTRに声を詰まらせ、体を震わせ、号泣する主人公。話の内容以上にその声色や表情がそのプロジェクトの大きさを物語っていた」。

番組で採り上げたリーダーから、多くを学んだ。

−徹底した現場主義、使命感、何度失敗しても挑戦しつづけること、とにかくやってみろ、やる前に諦める人間は一番つまらん人間だ−。

「経営に行き詰った中小企業の経営者から、勇気づけられた、もう一度頑張りたいとの電話や便りが多く寄せられた。番組で採り上げた多くの開発プロジェクトが中小企業の新商品や新サービスの開発にヒントを与え、困難に直面した際のリーダーの明確な決断が経営者に力を与えたと信じている。閉塞感漂う日本に勇気を与えた番組に関ることができた、という自負が番組づくりを支えた」。