バブル経済崩壊後の閉塞感が日本を包んだ平成12年。その番組は始まった。

1月16日に行われた組合トップセミナーでは、国井雅比古NHKアナウンサーを講師に招いた。戦後の数々のビッグプロジェクトとそれを支えた｢無名｣の人々を採り上げ、同局の看板番組となった「プロジェクトX」のメインキャスターだ。

「番組を通じ、もう一度挑戦してみたい」と多くの電話や便りが寄せられ、「会社が倒産寸前で、命を絶つしかない」と悲嘆し電話を寄こしたある中小企業経営者が数年後、再起に成功。笑顔で国井氏と対面した、というエピソードは番組の制作譚以上に印象深かった。

ひとつの「きっかけ」から転機は訪れる。閉塞感を打ち破るヒントがそこにある。

(住川)

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