情報がぎっしり詰まる組合HP
組合員の多くはお茶、椎茸などの農産物生産や林業を営むことから施設への常駐は困難である。
そこで、天野進マネージャーが施設管理をとり仕切る。東京出身の同氏は、施設開設2年目で組合に請われたのを機にサラリーマン生活にピリオドを打ち、家族とともにこの地に移った。
「静岡に住む兄と何度かここに足を運ぶうち、その雄大な自然に魅せられました。前任の管理人が退職することになった際に、組合から声をかけて頂き、組合員としてこの施設の運営に携ることを決めました。子どもも小さかったし、大自然の中で育てたいという思いも強かった」。
男の子3人、いずれも名前に「すけ」がつく。このため、天野マネージャーはいつしか「おとうすけ」と呼ばれるようになった。
「組合ホームページ(HP)にイラスト入りで"おとうすけ"と紹介してあるため、HPを見たお客様から、初対面にもかかわらず、いきなり"おとうすけ!"と声をかけられることもあります」と嬉しそうに話す。
「シンフォニー」の宿泊客は年間約1500人。県中西部をはじめ東京、大阪、名古屋など都市圏からの客も目立つ。口コミによる来場が多いが、平成11年に開設したHPの存在も大きい。HPには施設の空満情報や宿泊申込機能のほか、写真が趣味、という天野マネージャー撮影による施設や周辺の風景写真、さらに「シンフォニー」を訪れた約千組の写真とコメントが掲載されている。客とのつながりを大切にする組合の姿勢がHPからも伝わる。
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ここでの楽しみ方は無数
今年は「シンフォニー」の開設20周年にあたる。これに合わせ、従来から実施しているHP上でのアンケート回答者に対する無料宿泊券や地元産干し椎茸のプレゼントに加え、ゴールデンウィーク、お盆期間中も平日料金、期間中の宿泊料金10%引き、団体客15名以上の宿泊料金15%引きなどの誘客キャンペーンを展開した。
各地に最新設備を備えた日帰り温泉がオープンし、多くの情報が溢れる中、組合では知名度を高めるため椎茸オーナー制度やミニコンサート、山頂ファッションショーなどの仕掛けを次々に打つ。いかに素晴らしいところでも存在を知ってくれなければ、訪れてくれなければ、その良さは伝わらない、との思いが強いからだ。
「ここには、夏だけではなく、ゴールデンウィークの新緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気と満天の星、と季節ごとに見どころがあります。
食事もおすすめ。春は山菜、夏は鮎、秋は椎茸と採りたての山の幸、そして予約頂ければ組合員が狩った鹿刺し、猪鍋も味わえます。
星を眺めながら湯につかる。空と同じ高さのベンチに腰をかけてゆったり時間を過ごす。こどもと自然を駆けまわる…。ここでの楽しみ方は、訪れるひとの数だけあります」。
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