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クローズアップインタビュー

4月より県商工労働部長に
「商工施策と雇用施策は車の両輪」

静岡県商工労働部
部長 杉山栄一 氏

今年4月、県商工労働部長に就任した。「中小企業のニーズを現場レベルできちんと把握し、産業振興や雇用環境の整備に取り組んでいきたい」。前任の防災局長というポストからは堅いイメージも連想するが、時にはユーモアを交える語り口はいたって柔らかだ。

大学卒業後、昭和46年に入庁。職業対策部、学事文書課、商工部観光課、市町村課、工業立地技術課、秘書課、国体局、防災局長など要職を歴任。商工部では、例えば高度化事業で温泉組合が計画する温泉集中管理施設の建設支援を担当するなど、組合事業への思い入れも強い。

防災局では、東海地震対策に万全を期すことに全力を注ぐ一方、平成16年に成立した国民保護法に際しては、有事の際の県の行動計画を作成するなど迅速な対応が際だった。

いま商工労働部として注力する1つが、新事業・新産業の創出である。

「地域に存在する資源を集積し、大学や研究機関などと連携することで、リーディング産業としての展開を支援していく」と東部のファルマバレー、中部のフーズサイエンスヒルズ、西部のフォトンバレープロジェクトの推進を急ぐ。

そうした中で、中央会をはじめとする中小企業支援機関に対する期待も大きい。

「机上で考えても、それは絵空事に過ぎないこともある。支援機関には現場からのニーズを吸い上げていただくとともに、技術向上や新事業展開へ有効な助言をしてほしい」。

施策の普及に際しては、常に中小企業の立場を重視する。「支援の手法は様々で、一企業単独もあれば組合組織が有効な場合もある。新連携事業も1つの手段だ。特定の施策にとらわれることなく、企業が描くビジョンによって臨機応変に施策を活用すればいい。大事なのは、独自技術や優れた経営能力を持つ企業経営者を発掘、支援し、多くの成功事例を積みあげていくことです」。

来年11月には、ユニバーサル技能五輪国際大会が県内で開催される。全国的に若年労働者の育成、技術・技能承継が急がれる中、県民をあげて世界大会を成功させたいという。

「商工施策と雇用施策は、まさに車の両輪。どちらが欠けても、真に県内の経済活性化にはならないはず」と総合的な施策の重要性を説く。

「性格?頑固で短気かな」と自身を語るが、「気さく」「何でも言える上司」と職員の目には映る。

昼休みは、時間があれば将棋に興じる。趣味は読書で、最近は庭いじりにも凝り始めた。

「休日は、孫2人を連れて買い物や公園などでリラックスしています」。