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 個人所得税関係


定率減税縮減
 消費刺激とデフレ回避対策として、平成十一年から導入されていた個人所得税の定率減税については、平成十八年度までに廃止の方向で進められており、平成十七年度分は二分の一に縮減されました。
 この制度は所得税については算出税額の二〇%、二五万円を限度として給与所得の年末調整時や、個人の確定申告の際計算されていました。住民税についても最高四万円まで、合わせると最大で一人二九万円までの税額控除が可能でした。今回の縮減措置により、住民税とあわせて最高十四万五千円までの控除となりました。個人にとっては現実的には厳しい改正といえます。
住宅税制
 新築又は中古住宅を借入金で取得した場合には、取得使用開始一定期間にわたり個人所得税の税額控除が認められています。今回の改正では、中古住宅の取得の範囲の中に一定の耐震基準を充たす中古住宅が追加されました。この結果築後二十年あるいは二五年以内の木造住宅やマンションが対象であったものが、築年数に関係なく適用が可能となりました。
 この制度は住宅ローン控除以外、特定居住用財産の買い替えの場合や住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度の特例等にも適用範囲が広がっています。
住宅税制
 新築又は中古住宅を借入金で取得した場合には、取得使用開始一定期間にわたり個人所得税の税額控除が認められています。今回の改正では、中古住宅の取得の範囲の中に一定の耐震基準を充たす中古住宅が追加されました。この結果築後二十年あるいは二五年以内の木造住宅やマンションが対象であったものが、築年数に関係なく適用が可能となりました。
 この制度は住宅ローン控除以外、特定居住用財産の買い替えの場合や住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度の特例等にも適用範囲が広がっています。
民法組合等の形式による損益の取扱い 
 航空機リース事業による損益が生じた場合の損益通算制度については、改正前、節税対策等で利用されていたようですが裁判所の判決をうけ、今回の改正に至ったといわれています。
 航空機等リース事業上、生じた損失は不動産所得として他の所得と損益通算ができましたが、金融上の投資損益に該当し雑所得ではないかと争われました。今回の改正では課税公平の観点から実質的には投資損益とみられるようなものについての損益通算を認めないこととされました。

景気情勢の見通しと財政とのかねあいから、今年度の税制改正は、減税策による景気浮揚対策から、財政収支健全化を意図した政策の路線変更が行われています。この傾向は、次年度以降も引き続き継続していくものと思われます。
 特に個人所得税については、見直しや改正作業が相当広い範囲で今後行われていくものと思います。
 また、中小企業にとって依然厳しい環境が続く中、法人税制の抜本的改正については先送りのようです。
 間接税の柱である消費税の引き上げも検討課題となっており、改正は時間の問題と思います。
 私たちの生活や、企業組合活動にとって、税法の与える影響は大きなものがあります。長期的な税務対策が取れない状態のなかで、いかに国民としての税務上の義務を果たしながら、稼得利益を有効に再投資していくかの課題は、毎年改正される税制に注目しより敏感に対応するとともに、それに左右されない長期的視野に立った経営や人生設計が望まれるところです。



中小企業静岡(2005年5月号No.618)