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▽今月の特集は「労働事情実態調査」の結果から抜粋をさせていただきました。今回特に目を引いたのは派遣労働者やパートの増加ぶりとそれと裏腹の面もある新規採用の手控え、さらに引き下げも多く見られた賃金改訂の実施状況などです。
 いずれも中小企業の苦境が窺えますが、回答をしていただいた経営者サイドだけでなく、生活者、労働者からの視点も加えると、さらに今置かれている社会経済状況が鮮明になるような気がします。
▽表紙に描かれているのは、昭和30年頃の年末の焼津市街です。背景にあるのはヒカリ座という名の映画館。現在の本町6丁目、神武通りに面していました。
 今では静岡、清水、沼津、浜松などを除けば一部の街にしか映画館は残っていませんが、当時は映画の黄金期。年間のべ10億人以上が映画を見ており、焼津市だけでも多いときには8軒の映画館があったそうです。
 街の様子も、住む人たちの生活もずいぶん変化しましたが、焼きイモを買う子供たちの表情や師走の街の気ぜわしさは変わらないまま。やがて迎えることとなる経済の成長、そしてその先にあるITの進展や現在の苦境など予想することすらないまま、ただただ新しい年を迎える喜びと期待に満ちているように見えます。 〔敏〕




中小企業静岡12月号(通巻589号)

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中小企業静岡(2002年 12月号 No.589)