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 協同組合アントレ
 粉末大豆で豆腐作りを効率化
静岡県浜松市丸塚町266
(有)フルハシ食品内
E−meil:entre@col.hi-ho.ne.jp
組合員 4社  理事長 古橋 稔



▲厳重な衛生管理のもとで
 作られる栄養豊かな豆腐


おからの出ない豆腐作り


 一年間に廃棄・焼却処理されるおからの量は、七〇〜八〇万トン。水分が多く輸送が不便なため、肥料としての使用もままならないのが現状である。でも、栄養価の高さは誰もが認めるところ。
 豆腐製造業、食品機械メーカー、資材商社、情報機器関連製造業者の異業種四社が、「中小企業創造活動法」の認定を受け、おからの発生を抑える豆腐原料、大豆粉砕の新しい技術を開発した。
 大量のおからが発生する原因は、従来の皮付き大豆を砕いて、煮沸、ろ過して、豆乳を固めていることにある。この工程を改善するため、大豆を粉末化することに着目した。
 大豆を粉末にする最大の課題は、細かに粉砕する時の熱。熱により、大豆本来の風味が失われてしまうこと。これを石臼の原理を応用した粉砕機械を開発し、大豆をあらかじめ細かに粉砕、その粉末を原料に煮沸、ろ過して凝固させる方法を考えた。
 開発された粉砕方法は、水分量の少ない大豆を利用して、投入用ホッパと固定刃と回転刃が相対して設けられた機械で加工されている。摩砕中の油脂分の浸出量をできるだけ抑え、油脂が失われない状態で粉末化する方法。 

廃棄物の発生を抑え高栄養化

 通常の豆腐作りから発生するおからは使用する大豆の一.三倍といわれている。豆腐の歴史を鮮やかに塗り替える画期的な発明。おからが出ないから、廃棄物処理に多くの費用をかける必要がなく、水の使用量も大幅に減るので、排水処理にも苦労することが少ない。
 新しい技術によって粉砕された大豆を原料につくる豆腐は、おからに含まれる栄養分を充分に含み、食物繊維が通常の二〇〜三〇倍。豊富な栄養価を積極的に打ち出し、ヘルシー志向、ダイエット志向の顧客にアピールしている。


中小企業静岡(2000年 8月号 No.561)