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教育と雇用、その根底にあるもの

 このところ、世上での十七才の凶悪犯罪が続発した。十七才と言えば高校生。ところで、中央会では今年から県教育委員会と一緒になって、実業高校の校長先生方と中小企業者による雇用問題をテーマとし交流会議をもっている。
 その席上、産業界からは、学校側に対し率直かつ強烈な発言が相次いだ。これらの意見は新聞やテレビでも報道されたが、それらの意見を要約すると、
 「とにかく生徒に働くことについての観念が極めて薄く、挨拶とか、まともな返事ができないほど、ごく常識的な面に欠ける者が多い」ということになる。
 ことの責任は、当事者たる生徒にあることは論をまたないが、将来の日本を考えるとき、これを漫然と看過することはできない。本来、人間が成人になるまでの責任は、家庭や学校を含めた社会全体が負うべきである。
 しかし、ここで学校が悪い、いや家庭が悪い、社会、とくに行政や政治がよくないなどと言っていても、なんらの解決にならない。
 ここでひとつの事例を紹介してみたい。というのは、私が学院長として関与している静岡市にある各種専門学校の「S学院」(対象年齢は高校生に該当する)の事例である。
 この学校の平成十一年度の出席実績をみると、三年間無欠席の者が二六%、三年間で三日以内の欠席者を含めた精勤率は六七%にのぼる。
 この学校へ行ってみて感心するのは、一部ではあるが、生徒が自ら外来者に″あいさつ″の声をかけてくることである。
 S学院の今年の就職率は一〇〇%に近かった。むべなるかなである。批判ばかりしていても問題の解決にはならない。要はなにごとも、
  「実行するか、しないか」に尽きるのではないか。

静岡県中小企業団体中央会・会長


中小企業静岡(2000年 8月号 No.561)