ヨーカ堂八、一六〇円、ダイエーは、三八四円。
トヨタは三、五三〇円、ニッサンは四五五円。これは四月十五日の株価である。
ヨーカ堂の一株で、なんとダイエー株が二〇株以上買えることになる。トヨタとニッサンの株価も実に八倍近い違いがでた。
いまや株価は、いわゆる“グローバル・スタンダード”と言われる「国際的評価を数値化」した会社の実力と理解していい。
業種、業態が同じで自他ともに認めたライバル同志だったこれら超優良企業に、どうしてこんなにも大きな格差がついてしまったのであろうか。
その過程なり、要因が客観的に分析されれば、いかなる経営学者の説を学ぶよりも価値がある生きた教材といえよう。
その解明は学者に任せるととして、私たち中小企業者は、この生の事例を目のあたりにして、ここから何を学ぶべきか。
言うまでもなく、現在は長期の構造不況の中にある。しかし、変化の時代に即応し、微動だにせず、むしろ業績を大きく伸ばしている企業が数多く存在している事実に、目を覆ってはならない。
同時にわれわれは、自社の経営不振「不況という悪役」に代役させ、責任逃れをしていないか、反省が必要ではないか。
いまや、世の中は、政治も経済も、社会も、総評論家、総被害者づらをしている。政治や経済、環境、教育など…批評するのは易いが、批判しているだけでは問題の解決にはならない。自らが自己の生活を、自らの企業を、具体的にどう変革していくか、その中味が問われている時代である。
なかんずく、我ら中小企業は、社会の中核にある安定勢力であり、オピニオンリーダーである。
新たな年度がスタートして間もないこの機会に、改めて厳しく総点検と自己改革に努めたいものである。
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