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検 証 共同事業
共同受注事業のシステムと実際


●CASE=ONE

異業種で“街づくり”を提案
(協)ソリューション アンド
    コンサルティンググループ

異分野のノウハウを集積することで、総合的なプランニングを可能にし、
街づくりや商店街活性化への貢献を目指す。



▲歓談しながらも、仕事の話に熱が入る。

専門家集団が組織化

 街づくりや地域開発といった広域なプロジェクトは、研究の対象が広範であるために、特定の分野のみに精通した専門家一人では対応仕切れない。
 (協)ソリューションアンドコンサルティンググループは、中小企業診断士、リサーチャー、会計事務所、デザイン業、イベントプロモーション、そして建築士など、さまざま専門分野に精通した人材で構成された知識集団。集積された専門的知識を活用して、多方面にわたるニーズに総合的に応えていこうという組合だ。

共同受注で目指すもの

 専門家集団であるこの組合が目指す受注は、「各種業界団体の活性化に向けた総合的な相談」。
 商店街のリニューアルといったハード面の支援から、CI、イベント開催等ソフト面の運用まで、「活性化」をキーワードにしたあらゆる相談に対応する。
 また、マクロ的な診断調査や報告書作成だけでなく、ビジョンを実現するための具体的な方策を段階的に取り組むといった、いわば机上論ではなく現実に目を向けた支援を目指している。
 したがって、よくありがちな、“報告書は作ったけれど…”ではなく、これをどのようにして現実のものにするかということに焦点をあてているのである。

「ボトムアップ」方式による活性化を目指す

 実は、組合設立に至った動機もこの辺にある。
 各業界の活性化を目的として、政策面からもさまざまな支援策が講じられている。
 こうした制度を有効に活用して、これまで多くの中小企業者が活路を見い出してきた。
 しかし一方では、制度のガイドラインに沿って事業をこなすだけで、施策そのものの効果を発揮仕切れずに終わってしまうケースもある。
 これでは、本来的な意味での活性化にはつながらない。
 現実的、且つ効果的に取り組むためには、具体的な方向性が示された中で行政等の支援を仰ぐ、いわばボトムアップの方式が求められる。
 こうした考えから、課題を抱える地域や業界と直接契約し、自由な発想の中で問題解決に取り組む組織を作ったのである。
 地域の実情に精通し、その条件に見合った支援が出来るようにという配慮から、東は富士市から西は豊岡村まで県内各地で幅広く活動する専門家が組合に加入している。
 組合名のソリューションは、英語で「解決」を意味する。
 活路を切り開くための具体的な解決策を、当事者とともに見い出していきたい、という願いが組合名に込められている。

定例会で活発に情報を交換

 仕事を受注してからのシステムはこうだ。
 ある業務を受注すると、例えば、調査・分析段階から具体的な対応をするまで、違った分野の専門家が複数で担当する。
 これは、月一回の定例会で担当を決めることになるが、専門分野が分かれているため明確に担当を決定することができる。また、業務の進捗状況や課題なども、この中で検討され効果的な対策を見い出している。
 こうした中で、徐々に実績をあげているが、やはり現時点での課題はいかにして知名度をあげるかということだろう。
 当面は、定例会のほか、組合員個々の取引先からの情報を、パソコン通信上にパティオ(プライベートな電子会議室)を設け、活発に情報交換する中で、受注実績を積みあげながら組合の知名度を高め、新しい需要を創出していく方針だ。
 今年の二月に認可されたこの組合は、まさに誕生したばかり。
 取引先から「面倒見のいい組合」という評価が得られるよう、若手の異業種集団の活動が、今始まった。

■組合の概要

組合名:(協)ソリューションアンドコンサルティンググループ
住 所:清水市宝町5番15号
電 話:0543−67−6797
代表者:小澤健一郎
組合員:9人(建築士、経営コンサルタント、情報処理
       サービス業、デザイン業、イベント業)
事 業:都市計画、建設、経営及び情報等の共同受注・斡旋
認 可:平成9年2月

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 中小企業静岡(1997年10月号 No.527)
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