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役場の自慢話
幻の池、ユニークなダム
不思議発見!「水窪町」
 浜松市街から北へ車で1時間40分。長野との県境にあるこの町は、豊かな緑と清流に恵まれた山里である。町の魅力を同町産業課守屋係長に伺った。
 6月に「水窪町民俗資料館」がオープンしたそうですね。
 「2階建ての1階部分は“体験施設”。そば打ちや草木染めを体験することができます。また2階には、縄文・弥生時代の土器や石器のほか、明治時代からの生活用具など1000点が展示されています。この展示品のほとんどが地元住民から提供されたものなんです」
 「池の平」の幻の池について教えてください。
 「7年に1度、普段一滴の水もない山中に突然出現するのが“幻の池”です。残念ながら昨年は現れませんでした。それだけに今年に期待しているところです」
 水窪ダムは全国でも珍しい構造をしているとか。
 「このダムは、ロックフィル工法といって、岩と粘土を積み上げて造られています。またここは、冬場にワカサギ釣りが楽しめる全国最南端の地としても有名です。近くには山王峡と呼ばれる谷間があり、遊歩道が完備されダムの真下に出ることができます」
 例年10月に兵越峠で行われる綱引き合戦は、今年で11回目を迎えるそうですね。
 「峠の国盗り綱引き合戦と呼ばれるこの行事は、水窪町と長野県南信濃町とで綱引き合戦をするものです。昨年は水窪町が勝ちましたが、通算では4勝6敗。この綱引きのルールで、負けると1メートル領土を相手に引き渡すことになっていて、今のところ2メートルほど領土を相手に“盗られて”います。今年も気持ちよく勝って領土を取り戻したいですね」
 例年9月には2日間に渡り「みさくぼ祭」が開催され、毎年50以上のグループが参加する仮装行列のほか、4台の屋台が繰り出して町内を練り歩く。
 この町は、山里の原風景を味わうだけでなく、運がよければ、町のエネルギッシュな行事や神秘的な光景に遭遇することができる。
 水窪町は多彩な魅力を持つ町だ。
▲水窪町の魅力を一堂に集めた民俗資料館 ▲峠の国盗り綱引き合戦


 中小企業静岡(1997年9月号 No.526)
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