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水平型ネットワークの必要性

 最近、中小企業にとってヒト、モノ、カネ、情報に次ぐ第五の経営資源として企業間ネットワークが注目を集めている。
 コンピュータネットワークは、インターネットという形で世界を股にかけ、ビジネス戦略の新しい武器として使われはじめている。
 こうした情報機器によるネットワークだけでなく、自主的で互いが対等の関係にある「水平型ネットワーク」が以前にもまして重要となってきた。
 これまでのように、物量的パフォーマンスを求めた時代には、物や命令を上から下へスムーズに移行させる重層型ネットワークが有効に機能した。
 しかし、多様化する時代背景の中で、企業が特異な能力を発揮するためには「水平型のネットワーク経営が必要不可欠」であるということを認識しなければならない。
 これは、自らの得意分野を遺憾なく発揮する分業・協業を意味し、ネットワークに参加する企業は、提案能力と主体性のある経営資質を求められることになる。すなわち、自らが、どの分野でどのような貢献ができるのかを的確に把握し明示することが決め手となる。
 中小企業にあっては、事業そのものが専門化し特化している。まさにこれは分業・協業化に必要な要件を備えているということであり、外部との連携による新しい可能性を追求し得る環境にあるといえるのである。
 私としては、こうした新しい企業連携を、中小企業が一大飛躍をはかろうとする次のステップへの挑戦と位置づけ、中小企業組織のネットワークの核となる中央会の指導体制の強化に向けて一層力を注ぐ決意である。

      静岡県中小企業団体中央会・会長


 中小企業静岡(1997年09月号 No.526)
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