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編集室便り

「このままでは日本から“村”がなくなる」。

10月2日に行われた静岡県大会の基調講演の講師、関一橋大大学院教授はこう危惧する。

10年ほど前に始まった“平成の大合併”により、村の数は約600から約190へと3分の1以下にまで減少した。村が一つもない県は本県を含め13県、一つのみが11府県。全国の半数以上の府県では、村がゼロか一つなのである。

本県では磐田郡龍山村が平成17年7月に浜松市に編入され、村がなくなった。

ちなみに“昭和の大合併”直前の昭和28年4月、本県の村の数は219村(12市50町)。全市町村の実に4分の3以上を村が占めていたのだ。

行政単位の“村”が消滅しても、地域は存在する。だが、合併によって“飲み込まれた村”からは“思い”や“誇り”が失われていく。それらをどう汲み上げていくかが今後の地域社会を考える上で重要だ、という関教授の話が耳に残る。(住川)