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富士の叫び

開催迫るユニバーサル技能五輪国際大会に思う

第53回中小企業団体静岡県大会・商工四団体総決起静岡県大会及び中小企業団体全国大会が終了した。双方とも毎年この時期に開催し、時宜に応じた主張や立場を国・県等行政関係者に訴え、理解を求めてきた。多数の関係者にご参加いただき深く感謝申し上げる次第である。

さて、今月14日からいよいよユニバーサル技能五輪国際大会が始まる。今大会は、これまで別々に開催していた「技能五輪国際大会」と「国際アビリンピック」の2つの国際大会が、本県で同時開催されるという記念すべき大会である。

前者は、1950年にスペインで第1回が開かれ、日本の参加は第11回大会からである。わが国での開催は、70年の東京、85年の大阪に次いで、今回で3回目となる。

一方、81年の国際障害者年を記念して東京で第1回大会が開催された国際アビリンピックは、「障害のある方の職業的自立の意識を喚起」するとともに、「事業主や社会一般の理解と認識を深め」、さらに「国際親善」を図ることが目的である。

県政の基本政策の柱に「ユニバーサルデザイン」を掲げ、「行動計画」を策定し全ての人にやさしい暮らし方や環境作りを推進する本県では、大会開催にあたり早くから万全の体制で臨んできた。

障害者雇用に関しては、法で雇用率制度があり常用従業員56人以上を雇用する一般事業主は1.8%以上の雇用を義務付けられている。また、労働行政においても、平成20年6月には雇用率を1.7%台に押し上げ、法定の雇用率達成企業割合を55%台まで引き上げる事を目指すという。

こうした意味でも今回「技能五輪国際大会」と「国際アビリンピック」が「静岡県」で、また「ユニバーサル」を冠し、開催される意義はまことに大きい。

大会では、若き匠や障害をもつ方が自らの技を世界に披露する。翻って、食の不祥事続発等に代表される企業倫理の退廃は目を覆わんばかりである。いまこそ、企業経営者には、ユニバーサルの意図する高邁な倫理観を競い合って欲しいものだ。

静岡県中小企業団体中央会・会長井上 光一