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事務局 多士済々

持ち前のバイタリティで銘茶産地を切り盛り

川根茶業協同組合
事務局長 長島一也 氏

川根生まれの川根育ち。地元の高校を卒業後、牧ノ原にある県立農業短期大学まで、40キロメートルの道のりを自宅から往復した。同校の茶業学科を修めた昭和52年、協同組合の前身である川根茶業組合に就職した生粋の“川根人”だ。

「生家が農業を営んでいたこともあり、お茶の組合への就職は、自然の成り行きだったかな」。

八十八夜をはさみ4月下旬から5月上旬は、茶どころ川根がもっとも多忙を極める時期。事務局も二番茶が終わる6月まで、新茶を携え、組合員をまわり、生産者との価格交渉の仲立ちをする荒茶の斡旋事業で息つくひまもない。

「組合に入って30年。“ゴールデンウィーク”なんてことばとは、全く無縁だね」と笑う。

包装紙や茶缶などの共同購入事業、茶の仕上・加工技術を競う品評会の企画運営、販路拡大のための販促事業、青年部や女性部活動―。

川根茶を核に魅力ある地域づくりを目指し、行政・業界一体となり、平成17年に発足した「川根お茶街道推進協議会」の事務局も預かる。

「経営状態を細かく組合員に報告するなど、オープンな運営を常に念頭におき」事務を小気味よくさばく。

平成8年、前任者の退任を受け、39歳で事務局長に就任した。

「不安はあまりなかった。前の事務局長のもとで20年間、二人三脚でやってきたし、少しずつ仕事のやり方も盗んでいたからね(笑)」。

局長就任から3年後の平成11年、老朽化の進む会館の新築を手がけ、長年の懸案も解消した。

この5月には、“川根茶”が国から地域ブランドとして登録認定された。その裏で行政や他団体との調整、申請書づくりに奔走。相談窓口がある静岡市に足繁く通い、膨大な申請書類をまとめ上げた。

「これまでで一番の苦労? うーん、とくにないなぁ」とこともなげに答えるバイタリティとタフさで銘茶の産地を陰で支える。

休日は「のんびり自宅でくつろぐ」。これがバイタリティの源だ。