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 来年4月 「指定団体商標」が導入
 
組合の地域ブランド支援へ制度整備


 中小企業の製品やサービスのブランド化を促進しようと商標法が改正された。
協同組合などが「地域団体商標」の登録を受けることで、第三者による商標の便乗使用に対し差止め請求などの排除措置が講じられる。




 地域産業の競争力強化と経済活性化支援に向けた「地域団体商標」制度が来年四月から動き始める。特許庁の資料に基づきその内容とポイントを押さえておく。

商標法改正の概要

来年四月施行

 近年、地域の事業者が協力し、事業者間で統一したブランドを用いる地域ブランド化への試みが全国的に盛んだ。地域独自の創意工夫をもとに需要者の認知を高め、商品(役務)力の高度化と差別化を図り、付加価値を高めていこうというものである。
 地域ブランド化への取り組みは、商品(役務)の種類によって違いはあるものの、「地域名」と「商品(役務)名」とを組み合わせた商標が数多く用いられているのが実情である。しかしながら、現行商標法上、このような商標は、一定の要件を満たす場合を除き、識別力を有しない、特定の者の独占に馴染まないなどの理由で商標登録を受けることはできないこととされている。このため、「地域名」と「商品(役務)名」からなる商標の登録を受けることができるのは、次のケースに限られていた。
(1) 使用の結果、全国的な需要者との関係において出所識別機能を有するに至った場合。例:夕張メロン、西陣織など
(2) 他の識別力のある図形や文字を組み合わせた場合。例:小田原かまぼこ
こうしたなか今年六月、地域ブランドに係る商標を適切に保護する観点から「改正商標法」が成立し、来年四月より施行されることになった。
【商標法改正のポイント】
1. 今まで全国的な知名度を有する商品に限定されていた地域名と商品名(普通名詞)からなる地域ブランド商品について、近隣都道府県に及ぶ程度の周知性を獲得した時点において、「地域団体商標」として登録を認める。
2. 商標登録できる団体は、事業協同組合・農業協同組合等特別の法律に基づいて設立された組合で、加入の自由が保障されているもの。
3. 地域団体商標の出願前から同一の商標を使用している第三者は、自己のためなら当該商標を引き続き使用できる。
4. 地域団体商標が登録された後に、周知性や地域との関連性が失われるなど、登録要件を満たさなくなった場合を取消審判の対象とする。

 
■地域ブランドの保護について(PDF形式280KB)



中小企業静岡(2005年11月号No.624)