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くみあい百景



 「ISO取得のため、時間をかけ苦労を重ねながら、申請した二十社すべてが、取得できました。同じ業種で構成される組合員が共同で研修を行うことで、ライバル心が良い形で作用したと思います。これも組合組織だからこその成果です」と梅原理事長は胸を張る。
 組合員企業の経営資源である人、モノ、カネは、大手企業と比べて比較的弱い。特にISO取得以前の組合員は、取得に関する専門知識の不足、選任事務員の不在、多額な経費負担等の問題が原因で、多くの企業が二の足を踏んでいたのが現状であった。
 こうした中、平成十五年度に中小企業活路開拓調査実現化事業の一環として『新たな共同事業の構築』をテーマにISO取得のための研究を行った。テーマ選定・研究を重ねる毎に、組合内部で意見交換、問題に対する動機付けが高まった。同実現化事業の中では、組合が窓口となり、コンサルタントの選定やスケジュール管理、認証取得の方策、価格面での交渉を行うことで、組合員は前述の問題を解決する方法を得た。

▲「ISOを取得した企業の
 社員全員が、誇りと
 責任感で顧客サービス
 向上に努めている」と
 小野田専務は強調する
▲「顧客に信頼される
 組合ブランドを構築
 したい」と意気込む
 梅原理事長
組合が推進リーダー役

 ISO未取得の組合員は、組合事務局や取得企業のノウハウ・実務上の問題解決例など生きた情報を事前に収集することが可能になる。「今後、組合事務局が、推進役となりコンサルタント的な立場で各社の状況に合わせた情報提供をしたい。そして他組合、他業界の模範となるような積極的な活動をしていきたい。組合が取得したことは、貴重な財産」と言い切る梅原理事長。「ISO取得の効果は、社員全員のコスト意識の徹底、組合員が、適正処理業者として広く認知され、営業面で取引継続や強化を図ることができたことです。しかし、一番大きいのは、経営陣・従業員全員が、ISOを取得した誇りと責任感で、顧客サービス向上に張り切っていることです」と事務を取り仕切った小野田専務は強調する。
 ISO取得の前後から組合には新規加入申し込みの申請が相次ぎ、厳重な審査手続きを経て信頼性の高い二社が加入した。「組合事務局が、かじを握りISOの認証取得促進を図ったことは、組合の新事業展開に向けての起爆剤となっています。優良な組合員で構成される組合を今後も広くPRし、顧客に信頼される組合ブランドを構築していきたい」と梅原理事長は意気込みを語る。




中小企業静岡(2005年9月号No.622)