特 集 
 準特集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 



特集 〜改正のゆくえと中小企業への影響〜



課 題

(1)会社類型についての選択が硬直的。
(2)有限会社は信用力が劣るという認識から小規模の企業であっても株式会社形態を選択。
(3)有限会社と実態として差がない株式会社が増加し、規制が形骸化(取締役員数規制、取締役会の設置義務等)。

見直しの方向性

(1)有限会社法制と株式会社法制とを新しい「株式会社」法制に統合。但し、既存の有限会社に対して株式会社になることを強制するものではない(「有限会社」の商号使用を引き続き認める等、必要な経過措置を設ける)。
(2)有限会社法制が統合されることに伴い、株式会社のうち、実態として経営と所有が未分離と考えられる譲渡制限株式会社にあっては、定款自治による自由な機関設計を認める(後述)。

◇現行の機関

株式会社
有限会社
取締役会・監査役
必ず設置
任意で設置
取締役の数
3人以上
1人以上
取締役・監査役
の任期
取締役2年
監査役4年
制限なし


Point 2・機関設計の柔軟化

現行制度

「株式会社=大企業・公開企業」、「有限会社=中小企業・非公開企業」という前提の下、株式会社に一律に厳格な規制。

課 題

(1)「経営と所有の分離」の程度に即した柔軟な機関設計が困難。
(2)名目的な取締役・監査役が設置される株式会社が多数存在。

見直しの方向性

 特に譲渡制限株式会社(注)について、最低限の機関設計のみを定め、企業の成長段階に合わせた柔軟な機関設計の選択を許容。
(注)株式の譲渡について会社の承認が必要である旨の定款の定めがある会社。
具体的には、以下のような見直し行う。
■ 取締役会(取締役3人以上で構成)の設置規制を外し、取締役1名でもよいこととする。
■ 取締役・監査役の任期は、定款で定めれば最大10年までの任期とすることができるものとする。



中小企業静岡(2004年10月号No.611)