凖特集 
 「くみあい百景」 
 編集室便り 






 企業の社会的責任 

 CSR経営を組合事業で支援

 「企業の社会的責任」と訳されているCSR(Corporate Social Responsibility)。 
 CSRを支援する組合の新たな動きを紹介する。


 近年、様々な企業不祥事が露見している。これは、社会や市場への信頼という重要な一線を越えざるを得ないほど、企業が厳しい競争下に置かれている一面を表すものでもある。
 こうした中、本会は平成十四年の静岡県大会で、「組合などが中心となり、企業倫理確立に向けた支援をする」という組合の新たな役割を提案。翌十五年には、現状把握のための調査と共同事業としての可能性を研究した。
 特集では、「企業倫理」「企業の社会的責任(CSR)」を取り上げ、前半はその背景を、後半は製造業や建設業において「企業の社会的責任」の実践を支援する組合の取り組みを紹介する。


▲企業の利害関係者に対する
CSRのコンセプト。


多発する企業不祥事とCSR

続発する偽装隠し

「一連の事態につきまして、多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫びいたします」。マスコミ各社は、六月二九日に行われた、三菱自動車のいわゆる“おわび総会”の幕開けの模様をトップニュースで取り上げた。
 総会では、三菱側からは失墜した信頼回復のための再生計画等が説明された。三菱商事から迎え入れた副会長をトップとするCSR(企業の社会的責任)推進本部の設置や元検察庁OBを企業倫理委員会の委員長に迎えたことなどである。また、同社の取締役と執行役員全員に対し、企業倫理の順守を約束した誓約書を提出させ、企業風土の改革に向け踏み出す第一歩が映し出された―。



中小企業静岡(2004年8月号 No.609)