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 「くみあい百景」 
 編集室便り 



 指導員の現場から 
働くことが
できる幸せ



 今年度、県の商工労働施策は『産業の活性化と雇用の維持・安定』を目標に、五つの基本方向に基づいて推進していくとしている。
 その基本方向の一つが「誰もが能力を発揮できる雇用環境の創出」であり、就業支援策の総合的な推進を具体的な事業として、離職者への再就職支援、労働相談体制の拡充、雇用・就業機会の創出、障害者の再就職等を支援するための県立技術専門校における多様な訓練の実施などを行う。

障害者訓練校初の入校説明会

 沼津市北部、愛鷹山麓に県立あしたか職業訓練校(沼津市宮本)がある。県立では県内唯一の障害者職業訓練校で、高・中卒者、成人が一年間、全寮制(定員五十人)で機械・コンピュータ・生産実務等の専門教育を受けている。十五年度は二十五人の訓練生が修了し、全員が地元企業に就職するなど、毎年高い就職率を上げている。
 ところが、長引く不況による職業訓練の意欲低下、そして少子化の影響からか、ここ数年入校希望者が減ってしまい、同校としては昨年十一月三十日、地元キャリアカウンセラーのアドバイスを受けながら初の入校説明会を開催して応募を促し、十六年度の応募者を定員間近まで増やした。
 説明会開催に先立ち、私もチャレンジドの子供達に就労の場を提供している(企)イルカや、定期イベント「楽々市」で地元小規模授産施設の方々を招き手作りパン等の販売場所を提供している富士本町(商振)おかみさん会など、組合関係の方々のところに出向き、同校の入校説明会参加のPRをさせてもらった。その際、「入校させたいけれど寮生活に耐えられるか心配」「学校修了後、能力を活かせる会社に就職できたとして、長く勤めることができるだろうか?」といった、保護者の立場からの率直な気持ちを幾度か聴いた。

求職活動援助事業推進室を設置

 今年四月八日、県は「県西部地域求職活動援助計画」が国の同意を得たと発表した。今後は、国が静岡県中央会を通じて、人材受入情報の収集・提供など、同計画に基づく地域求職活動援助事業を実施していく。
 本会では、西部事務所内に求職活動援助事業推進室(Tel〇五三-四五三-二二二七)を設置。求職者や求人企業に対する情報受発信手段の拡大や雇用のミスマッチ状況の是正を図るため、(1)人材受入情報の収集・提供、(2)職業講習の実施(営業職スキルアップセミナー、就職支援セミナー)、(3)企業合同説明会の開催等の事業を展開していく。営業職スキルアップセミナーでは、営業職を希望する求職者を対象に、キャリアカウンセラーなどの専門家による実践ノウハウ習得セミナーを実施する予定である。
 現在、求人企業・求職者の各々の情報窓口としてのホームページ開設を進めている。
働く側と雇う側、融通無碍にいかにできるかがポイントとなる。
(松本)



中小企業静岡(2004年8月号 No.609)