富士の叫び 
 特 集 
 シリーズ「くみあい百景」 
 新役職員のための基礎講座 
 編集室だより 



特 集



市場としてのITと経営課題としてのIT

 組合の名称をながめていて、もう一つ気がつくのはやはり「アイ・ティー」「情報化」の文字。
 静岡県アイ・ティー事業(協)は電子商取引、顧客・販売管理、生産管理などのシステムの構築や受注斡旋が中心。
 ITはまなこ(協)は書類の電子化、ホームページの作成などを軸とするが、組合としての受注分野は市町村、第三セクター、業界団体に特化し、組合員との競合を避けている。
 ITの文字はないが、東部に誕生した(企)バイオインフォマティクスは、日々、増加・更新されている世界中のバイオ・データベースから利用者の研究や開発に即した形に注文に応じて二次データを作成していく。そのためには専門的な知識を有したコンピュータ・サービスエンジニアが必要となる。メンバーは優れたIT技術者だ。
 「情報化」の名称はついているが、静岡県情報化サポート事業(協)となると、IT関連業者とは異なる建築工事、自動車整備、小売などの異業種で構成。
情報通信機器・コンピュータソフトの共同購入、ホームページの作成・保守管理、IT活用ノウハウの修得など、急進するIT時代に共同で対応することが主要事業のひとつとなっている。

自然派商品の提供を

 共同購入は旧来タイプの事業と思われがちだが、毎年コンスタントに二〜三組合が主要事業に据えている。
 十四年度は三組合。IT機器を購入する前述の静岡県情報化サポート事業(協)のほかの二組合は、朝霧ヨーグル豚販売(協)とエコロピア(協)。
 朝霧ヨーグル豚販売(協)では、国産無農薬野菜等の残さを原料とする、安全性と出所が明確なヨーグルト状新飼料を用いた養豚を手掛ける新方式の養豚業者と提携し、肥育豚を独占共同購入。富士宮朝霧地域をブランドとする豚肉の共同販売や加工食品の開発を手掛ける。
 エコロピア(協)は、無化学・無農薬の生産につながる肥料や土壌改良剤などその効果の認められる特定な商品を中心とした購入となっている。
 どちらも自然・健康指向のもと特定ルートから購入しているのが特徴だ。

整体・療術の組合も

 自然・健康とともに現代人のキーワードとなっているのが“癒し”。
 時を同じくして整体・療術関連の組合が二組合できている。
 これらはまだ、国家資格を伴うものではないことなどから認知度を高めるのが、共通目的のひとつ。「カイロプラクティック」「整体業」を名乗る事業者は、玉石混淆の状態であることも事実。どちらの組合も普及啓発にあわせ、消費者相談事業なども行い、対外的な信用力や情報収集を強化。「将来的には、厚生労働省からの健康保険の適用認可を業界全体として得たい」(静岡カイロプラクティック協組・久保理事長)考えだ。なお、一方のふじみ整体(企)は療術関連の企業組合としては全国初のケースとなった。


中小企業静岡(2003年 6月号 No.595)