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特集

静岡県の労働事情
20年度 中小企業労働事情実態調査結果の速報

経営状況

経営状況「悪い」が大幅に増加

現在の経営状況は、「良い」が10.8%(対前年比マイナス3.1ポイント)、「変わらない」が31.8%(同マイナス16.3)とともに減少し、「悪い」が57.4%(同プラス24.4)と大幅に増加した。「悪い」と回答した事業所は、過去5年間で最も多くなっている(図表3)。

「良い」と回答した事業所が多い業種は「対事業所サービス業」の30.0%、「金属、同製品」の29.7%。一方、「悪い」は「運輸業」が92.0%と9割を超え、「対個人サービス業」も71.4%と高い。

主要事業の今後の方針は、「現状維持」(62.8% 対前年比プラス3.7ポイント)、「強化拡大」(29.4% 同マイナス3.2)、「縮小」(6.9% 同マイナス0.7)の順となった。

規模別では「強化拡大」と回答した事業所が「100〜300人」で50.0%と半数に達するなど、規模の大きさに比例して「強化拡大」の割合が高くなっている。

業種別では、「現状維持」が多い中、「金属、同製品」、「印刷・同関連」などで「強化拡大」が50.0%となっている。

一方で、「縮小」と回答した事業者が多いのは、「窯業・土石」(23.1%)、「繊維工業」(18.2%)、「設備工事業」(15.4%)の順となっている。

図表3

「経営上のあい路」(複数回答)では、「原材料・仕入品の高騰」を挙げた事業所が57.5%(対前年比プラス17.5ポイント)と半数を超え、平成16年調査に比べ3倍以上となった。「販売不振・受注の減少」(49.1% 同プラス10.3)も前年に比べ大きく増えた。過去2年間、最大のあい路として挙がった「人材不足(質の不足)」は3番目となったが、回答率38.8%(同マイナス3.7)と依然、高い割合を示している(図表4)。

図表4

規模別では、「原材料・仕入品の高騰」は、「1〜9人」では39.6%なのに対し、「30〜99人」、「100〜300人」ではそれぞれ69.2%、64.8%と6割を超えた。一方、「販売不振・受注の減少」は、「100〜300人」では28.2%だが、「1〜9人」で67.0%となっており、規模が小さい事業所で顕著となっている。

業種別では、「製造業」は「原材料・仕入品の高騰」(65.7%)、「非製造業」では「販売不振・受注の減少」(52.8%)が最も高い。

「経営上の強み」(複数回答)で最も回答が多かったのが「顧客への納品・サービスの速さ」(33.1%)で6年連続1位となった。これに「製品の品質・精度の高さ」(27.9%)、「製品・サービスの独自性」(21.1%)が続く(図表5)。

図表5

業種別では、「製造業」で「製品の品質・精度の高さ」(42.0%)、「非製造業」で「顧客への納品・サービスの速さ」(28.8%)が最も多い結果となった。