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視点・指導員の現場から

協同の精神を!

今年一年を振り返る

あとわずかで今年も終わります。

今年は、岩手や宮城の内陸地震、北海道洞爺湖で開かれた地球温暖化や核問題、アフリカ支援策を話し合ったサミット、中国・北京でのオリンピック開催、日本各地を襲った記録的大雨によるゲリラ豪雨、飛騨牛や中国産冷凍餃子に始まった各種食品への産地偽装事件や異物薬物混入事件、商工中金の民営化…

そして、米国のサプライムローン問題に端を発した地球規模で世界を巻き込んだ金融恐慌の影響は、円高ドル安、株価の大暴落となって日本に押し寄せ、輸出に頼っている我が国経済の根幹を揺るがすほどの危機的状況となりました。

県内の中小企業にも輸出関連を中心にメーカーの生産調整による受注減やコストダウン等により、今まで以上に危機的経営状況に置かれています。

こうした中でも、今年一番のできごとは、我が中央会井上会長が亡くなったことです。常に中小企業のためにと強固な信念のもと、まさにリーダーとしてのカリスマ性を持ち、御大将として指揮をされていました。

厳しい面もあった一方で、時間があれば会内で職員一人一人に気さくに声を掛けて頂くなど、時には冗談を言いながら笑顔で話をしたことを思い出します。

「中小企業者の立場で物事を考えなさい。中央会は中小企業者のかけこみ寺だ。」と―。

新たな年には…

年を追うごとに1年のスピードが速くなったように感じます。

新たな年は、先延ばしした総選挙もあり、富士山静岡空港も開港し、地元経済が大きく変化する年となるでしょう。

そんな中で、忘れてはならないのが派遣者の取り扱いです。

2004年に労働者派遣法の改正によって、これまで製造業への派遣が認められるようになり、当初1年間の制限が設けられていましたが、2007年に若干の法改正があって、3年間延長となりました。

当初の期間に採用した派遣労働者の契約期間が一斉に切れ、派遣者扱いとすることが出来なくなってしまいます。

再契約を行う場合は、3ヶ月間の一定期間を置く必要があります。場合によっては操業が止まることとなり、企業は大きなダメージを追ってしまいます。派遣から請負へ変更するか、直接雇用に切り替えるしか方法はありませんので、早急に対応しなくてはいけません。

ちょうど西暦2000年を過ぎた頃から、経済全体がグローバル化し、弱肉強食の市場万能主義が強くなっているように感じます。

今一度、亡き井上会長が唱える協同組合の精神、相互扶助、友愛と自助の協同組合主義の思想を忘れず、県内中小企業のための縁の下の力持ちであるように、井上魂(スピリット)を引き継ぎ時局という大きな波を乗り切っていかなくていけません。

(高橋)