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事務局 多士済々

「組合は組合員の拠りどころ」
ブレーンとしての組合事務局の重要性を説く

静岡県大井川地区自動車運送事業(協)
橋本繁夫 事務局長

 

前職は企業の社長。そして理事長経験者だ。平成7年から5年間理事長を務め、平成14年、経営の第一線を退く際、理事長から事務局入りを強く請われた。

「“ あなたしかいないんだ”が殺し文句だった」と笑う。

「抵抗はなかったかって?やめればタダの人。“ 偉い人”ほど、職を降りた後の使い道がない(笑)。自分を必要としてくれるってのは、嬉しいじゃないですか」ときっぱり言い放つ。

貨物運送業者16社で組織する組合の事業は共同配車、共同購入、金融、ETCカードの割引精算事務など多岐にわたり、事務局は人足が絶えない。

「とくに用はないけど、組合に行けば何かある、組合は拠りどころだ、事務局はそう思わせるような魅力がなければならない」。

経営者時代、営業成績が上がらず悩む社員に、

「“ 営業に来ました、取引してください”じゃ、“忙しいから、またね”で終わる。“ ちょっと寄っていきな”って言われる営業マンは、仕事に関係なく相手の興味を惹く話題を常に研究しているもんだ」と諭したという。

「事務局も同じこと。法律や経理、税務、労務、そして業界の動きなど、組合員は、まず組合で教えてもらおうと訪れる。その期待に応える努力は絶対に必要」。

理事長として組合の舵取りをした経験から、その運営が気になることもある。

「企業のトップは、最終的に自らが決断しなければならない。その決断を下すためのブレーンをいかに育てるかが、企業の命運を左右する。組合では、事務局がブレーン。だが決断するのはあくまで理事」と事務局の立場での発言にとどめる。

「“ 五感”を活かして過ごせば毎日が楽しい」とあらゆることに興味をもつ。そのひとつが、20数年前、年をとってもできるから、と始めた書道。

「集中力が養えるし、手先も器用になる。全身を使って書くので意外と体力も要る。健康の源だね」。