google

富士の叫び

思い切った、そして実効性ある中小企業対策を強く望む

中国が国の威信をかけて実施した北京オリンピックが無事閉幕した。開催前には、チベット問題や北京市内の大気汚染、食の安心・安全への不安、さらに四川大地震の発生など多くの不安材料を抱え、成功を危惧する声も囁かれていたが、始まってしまえば、各国のトップアスリート達の活躍により、多くの感動とドラマが生まれた。

日本選手団も歴史に残る活躍をみせた。特に女子ソフトボール悲願の金メダル獲得には、多くの国民から称賛の声が上がった。個々の持ち味を十分に活かした上で、適材が適所に配され、粘り強くひとつの目標に向かって団結する姿に、日本人の持ち味を見出したのは、私ばかりではないだろう。

発展途上国という位置づけにある中国でのオリンピックが成功裏に終わったことは意義深い。

日本が中国と国交回復をして36年。昨年、本県と浙江省との友好提携25周年を迎えたことを思うと、「井戸掘り」をしてきた者として、中国の目覚しい躍進ぶりは感慨に堪えない。東アジアが、世界経済の牽引役となるのも近いことを予感させる。

急速に進む経済のグローバル化は、従来の米国依存の経済体制を大きく変えつつある。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国の台頭もその象徴のひとつであろう。

こうした中、我々は「米国がクシャミをすれば風邪を引く」体質から、グローバル化に対応した強靭な体質への脱皮が求められている。そのためには、足元をしっかりと固め、日本の土壌に合った経済政策が不可欠であり、それは即ち日本経済を下支えする中小企業対策であるといえよう。

景気の悪化と原材料高が進む中、全国中央会では、先月19日に全国430万中小企業の総意として国に対し、中小企業の景気対策強化を求める要望を行った。中小企業の血の滲むような自助努力も限界を超え、呻吟する今こそ、思い切った、そして実効性のある中小企業対策を強く望むものである。

静岡県中小企業団体中央会・会長井上 光一