google

特集

動き出した「農商工連携」への取り組み
農商工等連携促進法 施行

資料提供:中小企業庁ほか

地域経済間に大きな格差が見られる中、地域経済の主要な担い手である農林漁業の活性化は、「地方再生」に大きな影響力を与えると考えられる。

農林漁業は、進む高齢化など厳しい状況にある一方、海外輸出やブランド化等で成功しているケースもあり、成長ポテンシャルを持つ産業である。この可能性を引き出すためには、商工業等の有する技術やノウハウを活用することが効果的だ。

商工業者も農林漁業の経営資源を活用することで、ビジネスチャンス拡大や新商品・新事業展開の広がりが期待される。

この「農」と「商工」の連携を強力に支援する「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動促進に関する法律(農商工等連携促進法)」が7月21日に施行された。

経済産業省、農林水産省では、行政の枠を超え、相乗効果を発揮させようと、経産省が中小企業向けに展開してきた施策を、農業者にも使えるようにするなど、それぞれの得意分野を持ち寄り、新たなサービス、商品を生み出そうとする試みだ。

特集では、農商工等連携促進法の概要や支援策を中心に、「農商工連携」施策のあらましを紹介する。

「新連携」、「中小企業地域資源プログラム」に続く「異分野連携」の第3弾

ここ数年“異分野連携”は、「地域活性化の切り札」として注目され、施策の目玉として実行されてきた。平成17年度は、分野の異なる事業者同士が手を組み、新事業を生み出す「新連携支援」、昨年度は、あらためて地域を見直し、デザイナーなどプロの力も借りながら、新たな事業を生み出す「地域資源活用プログラム」が始動した。すでに両者とも新商品開発による実績が着実に出始めている。そして本年度の「農商工連携」が異分野連携の第3弾となる。

これら全てに共通するのが、中小企業による新事業展開が含まれていること。さらに支援のスキームや内容、手法など類似点は多いが、農商工連携は、新連携で導入された異分野連携をさらに進化させたもので、業種や省庁の垣根を取り払い、これまでの中小企業施策のノウハウを十分に活用し、農林水産分野を含め支援していこうというものだ(図表1)。

 

図表1 「新連携」、「中小企業地域資源活用プログラム」との比較(拡大図を見る