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事務局 多士済々

「苦労が多いほど仕事は面白い」と自らにプレッシャー

掛川電気工業協同組合
中野敏博事務長

組合員対象のIT研修では講師を務める。

「苦労が多いほど仕事は面白い」、「仕事に追われるより、追いかけろ」。穏やかな口調の中に強い信念と仕事への情熱が伝わる。

大手メーカー定年後、組合が事務長を募集していることを知り応募。平成15年1月、事務局に入った。

「前任者との引継ぎは、書類の保管場所を聞く程度。5分で済ませた(笑)。前のやり方そのままじゃ面白くないじゃないですか。事務に限らず、仕事には必ず“入り”があって“出”がある。それさえ押さえれば、どんな仕事も怖くない」。

メーカーでは、社内ネットワークの構築管理や事務の効率化を推進する社内コンサル、財務部門の統括責任者と事務畑の中枢を歩んだ事務のプロ中のプロ。

そのプロフェッショナルが始めに手がけたのは、事業改善計画の策定だ。

「組合員は減少傾向でジリ貧になることが目に見えていた。そこで数値目標を掲げ、3年スパンの徹底的な改善計画を組合員に提示した」。

その一例が、定期的に開催する研修会の会場を組合会館から公共施設に移したことである。

「組合に研修室があるのに、別の会場を借りるとは何事だと言われました。しかし、組合の駐車場だけでは間に合わず、近くの公民館の駐車場を借りる費用や交通整理をする組合員への日当など1回の研修会で10万円近い費用が発生する。公共施設なら広い駐車場に加え、使用料は数千円で済むと、費用対効果を具体的に示した」。

初めは反発した組合員も3年を経て、目標以上に達成された実績、そして仕事に対する真摯な姿勢を前に全幅の信頼を置く。

「具体的な目標を掲げることは、自らにもプレッシャーをかけるため。煙ったい事務局だ、と思われても、後で良かったなと組合員が思ってくれるような仕事をしたい」ときっぱり言い切る。

夫人を伴っての旅行が楽しみ。

「今まで支えてくれた妻と西国33ヶ所巡りの旅を気ままに楽しんでいます」と愛妻家は相好を崩す。