google

富士の叫び

「地域力連携拠点」を核に地域経済の再活性化を

このほど、2008年版中小企業白書が取り纏められた。白書では、中小企業の生産性向上と地域経済の活性化を図るため、地域ネットワークの重要性が改めて強調され、付加価値創造に挑戦すべきとの提言がなされた。これを受ける形で経済産業省・中小企業庁では、施策の目玉として「地域力連携拠点事業」をスタートさせた。この事業の中核を担うのが、「地域力連携拠点」である。全国で316ヵ所、県内では本会を含め8機関が指定を受け、5月末より事業に取組み始めている。

連携拠点では、経営力の向上や事業承継など中小企業が直面する課題に対し、地域における優秀な支援者「応援コーディネーター」を活用し、アクティブな経営相談の推進や全国の専門家を活用した可能性のある企業の発掘、小規模企業支援の実践的ノウハウの蓄積・管理・活用など、ワンストップできめ細かな支援を行う文字通り連携の拠点として大きな期待がかけられている。

本会では、特に次の重点事項を掲げて積極的に事業を推進していく考えである。

第一は、新事業展開支援である。県経済連や県信連、県漁連、県農協中央会、商工中金など業種を超えたパートナー機関との連携のもと、農・林・水・商工連携による地産地消の促進やブランド構築による新市場参入など推し進める。第二は、埋もれた資産・強みの掘り起こし・活用やITを最大限に活かした経営戦略の構築など、新たな経営方法の導入支援である。そして、特に中小企業では『人材育成』が重要であることに鑑み、人材育成支援や5Sの徹底、作業工程の改善などに、本会では全力を傾注して取り組む所存である。

今、我々は空前の原油価格の高騰や原材料高に見舞われ、内需低迷による閉塞感に覆われている。しかし、連携拠点を核に業種や組織の枠組みを超えた厚みのあるネットワークを十二分に活かし、地域内連携力を増すことにより、地域経済の再活性化が必ずや実現すると強く信ずるものである。

静岡県中小企業団体中央会・会長 井上 光一