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クローズアップインタビュー

3月から商工中金沼津支店長
中国での経験を活かし、地域の国際化に貢献

商工組合中央金庫沼津支店
石黒真史支店長

3月10日付で沼津支店長に着任した。前任地は、商工中金が中国本土初の営業拠点として2005年3月に開設した中国上海事務所。

開設の1年前から、申請手続きなど開設に伴う下準備を一手に担い、初代所長を3年にわたり務めた。

「上海事務所がカバーする範囲は、広東省を除く中国全土。遠方への移動は飛行機、浙江省や江蘇省などへは自動車。ひと月で5000キロ走ったこともあった」と振り返る。

「中国に進出した企業の多くが、材料高、人件費高、人民元高の3大コスト高に悩み、次々に施行される新たな法律への対応に苦慮している」。

同事務所の業務は、中国へ進出した企業や進出を考える取引先に対する現地の経済・金融情勢、投資環境などの情報提供、仕入先や部品調達先の斡旋、法律や税制、雇用の相談、現地金融機関とのパイプ役と広範だ。

「当初は、現地の金融機関や政府との間で齟齬もありましたが、時を経るに従い互いに分かり合え、信頼関係が築かれたと思う。最終的には人対人。相互理解の重要性を痛感した」

中国との関わりは、17年に及ぶ。平成3年に庫内の海外留学試験に応募。翌年から日中経済協会へ出向し中国事情について知識を習得するとともに、大連外語大で中国語を学び、同7年から香港事務所に勤務した屈指の“中国通”だ。

「大連に留学した年に、改革開放政策が本格的に始まり、香港事務所時代には、香港返還があった」と中国の急速な発展を肌で感じ続けてきた。

沼津に赴任して3ヵ月。「富士山や伊豆の山々、駿河湾。温和な人柄と温暖な気候。すべてが最高ですね」とその印象を語る。

「県の東部地域は、富士の製紙や伊豆の観光、多くの自動車部品メーカーなど、海外との結びつきが強い産業を抱えており、海外、とくに中国に高い関心をもつ経営者が多い。中国で得た経験や知識を多くの企業に伝え、国際的なビジネスのお役に立てれば」と意欲を語る。

10月1日に控える商工中金の株式会社化。「中小企業に対し、安定的に資金を供給するというスタンスは決して揺るぎません。そこに大きな意義があると考えます」と明快に答える。

「培ってきたフルバンク機能を活かし、金融以外の経営相談にも積極的に取り組むことで、ますます多様化するお客様のニーズにきちんと応えたい。そのためにはお客様とオープンに話し合えるような関係を築くことが重要です」。

中国で駐在員仲間とプレーしたゴルフ。「こちらには、すばらしいゴルフ場が多いと聞く。仕事だけではなく、ゴルフにも真剣に取組みたいですね」。