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寄稿

平成18年度税制改正と中小企業等への影響

公正取引委員会からのお知らせ 改正下請法の事例紹介

平成16年4月1日、改正下請法が施行された。ここでは、下請法の違反行為事例について紹介する。

事例1(受領拒否の禁止 第4条第1項第1号)

A社は機械部品の製造を下請業者に委託。発注から納期までのリードタイムが短く、下請事業者が発注書の交付を受けてから製造に取り掛かるのでは納期に間に合わないことから、正式発注の前に内示情報をだし事前に準備をさせている。しかし、ある日、A社の生産計画が変更となり、下請業者に委託した機械部品が必要なくなったことから、予告なく取引を打ち切る旨の通知を行った。A社は、下請事業者から内示に基づき準備した在庫を買い取るよう要求されたが、まだ正式発注していないので引取りを拒否していた。

(解説)
親事業者が十分なリードタイムをとらずに納期を設定し、下請事業者が親事業者から内示の段階で準備等に取り掛からないと親事業者の定める納期に間に合わない場合は、当該内示書が正式な発注書となり、親事業所は内示書に定めた発注数量を受領しないと受領拒否として下請法上、問題が生じる。この場合、親事業所は在庫買取り等の処置を講ずる必要がある。


事例2(下請代金の支払遅延の禁止 第4条第1項第2号)

B社は下請事業者に対し、毎月末日納品締切、翌月末日支払の支払制度をとっているが、B社は下請け事業者から請求書が提出されなければ支払い代金の確定ができないとして、下請事業者からの請求書の提出遅れを理由に下請事業者の給付を受領してから60日を超えて下請代金を支払っていた。

(解説)
下請法では物品の受領後60日以内(一か月締切制度を採っている場合には、締切後一か月以内)の定められた支払期日までに下請代金を支払う必要がある。よって、B社は下請事業者の請求書の有無に関わらず、月末までに納品されたものについては、支払制度どおり翌月末日に支払わなければならない。

なお、支払遅延が生じた場合、親事業者は下請事業者に対し受領後60日を経過した日から支払をする日までの期間について、年利14.6%の遅延利息を支払う義務がある。


事例3(下請代金の減額の禁止第4条第1項第3号)

C社は下請代金の額が一定金額以上の場合、原則として手形払にしているが、一時的に現金での支払を希望する下請業者に対し、手数料として5%を下請代金から差し引いていた。なお、C社の短期調達金利は2%である。

(解説)
下請け業者との間で支払手段を手形と定めているが、下請け業者の希望により一時的に現金で支払う場合に、親事業者の短期調達金利相当額(複数の銀行から借入を行っている場合はそれを加重平均したもの)を超えて減額すれば、その超過分は下請け代金の減額として下請法違反となる。


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