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シリーズ「くみあい百景」

組合の全国シェア70パーセント 先進技術で時代の要請に応える

日本超硬刃物協同組合

製造業者11社が団結

昭和56年、浜松地域の精密機械器具、1般機械器具や機械刃物製造業11社が団結し、新市場の開拓を目的に組合を設立した。

組合員が製造する機械刃物・鋸刃は国内全生産量の七割を占め、組合は、業界のリーダーとして機械刃物産業を牽引している。

超硬刃物は、焼結合金を刃先に施した硬く耐久性がある刃物をいう。組合員が製造する超硬チップソー、超硬カッター、ダイヤモンド刃物等は耐久性や高い生産性、再研磨技術等において業界・顧客等から高い評価を得て、今日の地位を築いてきた。

同組合の大澄信行理事長は、「私達は、刃物がまだ機械の単なる1部分としてしか認識されていなかった時代から、高品質の機械刃物製造に特に力を入れてきました。組合名に『日本』という冠をつけたのも組合製品が、日本市場で高いシェアを占めているからです」と組合の指向と活動状況を説明する。

現在、共同仕入委員会や技術委員会、共同宣伝販売委員会、総務委員会など四つの委員会で組合を積極的に運営する。

主な組合事業は、原材料及び副資材の購入斡旋事業や組合員のための共同研究事業、共同宣伝事業及び教育情報事業等である。

共同研究事業で技術革新を目指す

購入斡旋事業は、必要な材料、副資材の他PL関連共通ラベル等を組合員に斡旋するもので組合の年間取扱額は約7億円を超える。納入業者からの購入に際し、スケールメリットを生かすことで組合員のコスト削減に貢献している。

共同研究事業について組合は、先進技術の情報収集、技術ノウハウの蓄積や基礎技術のボトムアップに努める。

具体的には、国の中小企業技術高度化対策事業を利用し、昭和61年からの3年間で「丸鋸の刃物チップ片への事前ロー付の自動化システムの開発」、平成8年には組合独自で「最大使用回転数のCAE解析」など設立以来継続的に研究を行っている。組合員企業の技術課題に対し、組合1丸となり改善、解決を図っている1例だ。

組合は共同宣伝事業の一環として、本会補助事業の情報創造発信強化支援事業を利用し、平成9年に組合ホームページを開設。以降、組合員はHPによる引き合いも増え、サイト再構築の要望が組合員から多数あがったことにより、リニューアルの運びとなった。

組合員の製造するダイヤモンドチップソー

刃物加工技術は、高精度、安定性にも優れ評判が高い

共同研究事業にも積極的に取り組む

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効果を上げるWEB戦略

ホームページを開設したことで満足する企業も多い中で、当組合のように、積極果敢にリニューアルを行った事例は、県内でも数少ない。担当理事や事務局の玉木氏が中心となり、組合員情報を約3ヶ月以上かけてデータベース化し、取りまとめた。

「組合ホームページのリニューアルでは、製作業者に検索エンジンにヒットさせやすくするSEO対策を企画依頼しました。組合員の充実した製品・サービスをより広く顧客にPRするのが、リニューアルの目的です。顧客ニーズの収集や組合信用力の向上も、あわせて図りたいと思います」と組合事務局の玉木さんが、組合ホームページ戦略について説明する。

現在、初期に比べて月間組合ホームページアクセス数は3倍以上の約5百件と飛躍的に向上した。組合に商品情報に関する問い合わせを受ける件数も、堅調に伸びている。

企業のリストラの進展により、企業収益が好転し、設備投資も回復基調にある。様々な分野で活躍する超硬刃物の需要も今後堅調に伸びていく見通しだ。

大澄理事長は、「様々な分野で利用・応用されている超硬刃物は、ユーザの求める技術革新のスピードが速く、私達は常に最新動向を把握し対応しなければならない。そのため、組合員に対し、経営及び技術の改善向上、販路開拓等ソフト面でのサポートサービスの充実に今後も引き続き力を入れたい」と抱負を語る。

住所
〒435-0013
浜松市天竜川町545番地の15
理事長
大澄 信行
組合員
15名
出資金
4,500千円
TEL
053-421-2088
FAX
053-421-2089
URL
http://www.siz-sba.or.jp/jtc

組合ホームページをリニューアルし、アクセス数は以前と比べて3倍以上に増加

「組合員に対し、経営及び技術の改善向上、販路開拓等ソフト面でのサポートサービスの充実に今後も力をいれていく」と意気込みを語る大澄信行理事長

「サイトリニューアルの目的は、組合員の製品・サービスの紹介、顧客ニーズの収集や組合信用力の向上です」と話す組合事務局玉木淳子さん