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駿府お茶壷道中 賑やかに開催

駿府本山お茶まつり委員会




▲静岡市の駿府公園近くを行列する
 駿府お茶壷道中の一行(上)。
 大会役員の静岡茶商工業(協)
 望月浩理事長と中央会職員の
 深澤由記子さん扮する腰元(左下)。
 久能山東照宮で行われた口切りの儀(右下)。
 十月二九日から二日間、静岡市で駿府本山お茶壷まつりが開催された。静岡本山茶の歴史や文化、お茶の普及を図るイベントとして毎年行われるもので、お茶壷道中行列や口切りの儀など、静岡ならではのお茶文化を発信した。
 初日に同市井川の大日峠で「蔵出しの儀」などが行われ、二日目の三○日は、籠に乗せられた茶壷と共に、お茶姫や奉行、腰元など時代衣装に身を包んだ百十名の行列が同市の安西小学校を出発。浅間神社前や呉服町、駿府公園などを行列した後、到着地の久能山東照宮本殿で「口切りの儀」が厳かに執り行われた。
 江戸時代、家康公は駿府城で開く茶会のために上質茶をお茶壷に詰め、標高千二○○メートルの井川峠で半年間にわたり保管・熟成した。その後、茶壷は籠に乗せられ駿府城に納められた。自然発酵したお茶は新茶とは一味ちがう旨みを醸し出し、大名たちの茶の接待にも供されたという。
 お茶壷道中は、生産農家や行政、関係機関、静岡茶商工業協同組合の役員らで構成される駿府本山お茶まつり委員会により、当時を偲んで毎年賑やかに行われている。




中小企業静岡(2005年12月号No.625)