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▲和舟を係留しクロダイ釣りを楽しむ
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▲小学1年生による稚魚の放流
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▲1人で大物を含む二ケタ
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イカダザオでのダンゴ釣り
清水港でクロダイが好調だ。
ポイントに和舟を係留し、専用のイカダザオを使い、オキアミやアミエビのエサ付きのハリをオカラに海水を混ぜて作ったダンゴで包むダンゴ釣り。海底のタナでダンゴがパカッと割れるとエサが飛び出す仕掛け。ダンゴが集魚材、オモリ、タナに落ちるまで外道のボラなどのアタックを避ける役目を果たす。
夏から秋は浅場の数狙いで二ケタの釣果も期待できる。気温が下がる晩秋以降はタナも下がり十二月〜三月までは五十センチ超の大物も狙えるという。
組合設立は平成七年十二月。当時、事業者の努力が実を結び始め、清水港は全国でも有数のクロダイ釣りの地として取り上げられるようになっていた。
しかし、清水港は特定重要港湾であることから継続的に港湾計画が進められ、漁協では港内の漁業権放棄に伴う漁業補償を受け入れる動きが見られた。漁業権が放棄されれば長期に亘って築き上げてきた清水港のクロダイ釣りも衰退しかねない状況下にあった。そのため海上保安庁など関係機関に話を通し、事業継続に理解を得るべく任意団体からの進展を図った。
稚魚の放流回数は全国一
組合の前身は昭和二十五年に結成された清水釣船業組合。しかし三十年代半ば〜後半にかけて工場廃水や家庭排水による水質の悪化と、清水港の港湾整備による釣り場の減少が重なり廃業する業者が続出。四十年代終盤には現在の三業者となった。
五十年代に入り店主が相次いで代替わり。クロダイ釣りを庶民の文化として維持しよう、釣った分以上の数を海に返そう、と五十八年から現在も主要事業である稚魚の放流事業を開始。平成四年には海を使わせてもらっている、と月一回の海上清掃も始めた。水質も徐々に改善、そうした中での設立であった。
設立後、組合事業は順調に推移。昨年の稚魚放流事業は年五回、トータル二万七千匹を放流。一部は、地元の小学一年生や市民も参加し好評を博している。吉原理事長は「年間放流回数では全国一だと思う。回数を多くした方が一度に放流するより歩留まりもいいです。また、お金はかかるが質の良い、大きなものを放流しています」と語る。