富士の叫び 
 特 集 
 「くみあい百景」 
 読者プラザ 
 編集室だより 



指導員の現場から
将来は不安ですか?



 中央会は組合を対象に各種の事業を実施しているが、私が所属する業務課は年金共済・退職金共済・大型共済等経営者や従業員の身分保障、福利厚生の充実にお役に立つような制度の普及啓蒙を行っている。それは少しでも今より将来が明るく豊かであって欲しいと考えるからである。
 しかし今、新聞等マスコミで毎日のように騒がれているのは年金の将来の受取額が減少されるとか支給年齢が引き上げられるとか、将来に不安の影を落とす事ばかりである。公的年金の不安ばかりでなく社会保険料や消費税のアップなど、この先の生活はどうなってしまうのだろうと考えてしまう毎日である。
 このように経済環境だけでなく我々を取り巻く生活環境が悪化している。このような中で組合及び組合員を巡回して、様々な相談を受ける訳だが、そんな中かなり驚く事がある。たとえば、自分が何歳になったら公的年金をもらえるのか知らなかったり、待っていれば誰かがその手続をしてくれると思い込んでいたりしている事などである。
 これから先、長い人生の中心になる事なのに、これでは少し心配にならざるを得ない。
 今、私たちは考え方を大きく変えなければいけないのかもしれない。今までは国と企業がまさに世界でもまれなほど手厚い保護を与えてくれていた。しかしこれからは、自分の将来は自分で決めなければならないだろう。そう覚悟を決めるべきである。ここで一度自分の考えをリセットしてみてはどうだろうか。

ライフプランを作ろう

 先日、組合員さんからこんな相談があった。それは住宅ローンについてだった。「繰上返済が出来るって聞いたんだけど、どうすればいいの」。これは自分も以前繰上返済の経験があったので、その時の話をさせてもらった。「今まで誰も教えてくれなくて知らなかった」。この方は前向きに検討を始めるようだ。
 このように一度自分の生活を全部見直す事が今最も必要な事かもしれない。きっと無駄な部分、あるいは改善しなければならない事など多くあると思われる。
 将来に対する不安をいろいろなところで聞くが、自分の現状と今後を整理するといろんな事が見えてくる。そのためにも自分の将来のライフプランを作ってほしい。そこから将来の必要な資金などがはっきりと確定できる。ひょっとすると心配のしすぎかもしれない。自分でリスクと思っていた事がリスクでなかったり、安心していた事が、大きなリスクであったりするかもしれない。
 ライフプランとは、人それぞれ全く違うものである。いつ、何をしたいのか、どのような人生を生きたいのか漠然としたものを、より具体的に描くものである。
 漠然と将来に対する不安を感じるだけでは、明るい将来は開けてはこない。自分の人生だからこそ、自分の責任で素晴らしいものにしたいものである。
(小沢正人)



中小企業静岡(2003年10月号 No.599)