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▲組合の活動状況を語る
 事務局責任者の小出氏

湧き水「風穴の泉」が人気

 「風穴の泉」は天然のミネラルをバランスよく含み、くせの無いまろやかな味が特徴。炊飯や飲茶に利用する人が多く、月平均五百人〜六百人が訪れる。料金は二十リットルで百円と格安、多い人でポリタンク十〜十五本、平均で五本は汲んでいく。
リピーターと口コミ客で年々、その売上げを伸ばしている。
 周辺施設の整備には、浜松市が、鷲沢風穴をこの地域発展の中核施設として期待し、遊園地の整備、施設案内看板の作成、トイレの設置等に助成するとともに道路整備も行った。組合員で事務局と施設管理人を兼ねる小出氏は「隣接する都田地区の開発に比べ立ち遅れが懸念されたが、市から施設の整備に補助をしていただき、今日の姿が出来上がった。市の支援には大変感謝しています」と言う。

入洞者、年間一万人目標

 組合設立から十二年余。課題と今後の目標について小出氏は「浜松市を始め多くの皆さんがホームページ等で“学術的にも意義ある石灰岩洞窟”“穴場”として紹介してくれています。それに対して組合自体のPR不足は否めません。資金的に厳しい分だけ、工夫が必要ですね。
 それと組合員の高齢化です。
新しく加入した組合員は五十代ですが当初からの組合員の多くは七十代です。今後、世代交替も必要になってくるでしょう。 
 目標としては入洞者の年間一万人はぜひ達成したいですね。風穴の他に川遊びや、六月にはしょうぶ園、ほたるの里も楽しめます。湧き水については評判も良く売上も伸びているので大いに期待しています」と話す。
 設立時に比べ、風穴とその周辺は順調に整備が進んできた。
 滝沢・鷲沢地区の恵まれた自然環境を活かしながら、自らの手で発掘作業を行った風穴を核に“町の活性化を目ざす”という目標に向けて、今後も地域と一体となった組合活動が続く。



中小企業静岡(2003年 9月号 No.598)