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Q&A 専門家の眼



平成15年度税制改正と
協同組合等への影響
選択適用の有利不利の判断にも留意を

公認会計士 青木隆知
〒420-0816 静岡市沓谷6-17-1 パナハイツ沓谷101
TEL 054-264-6530 FAX 054-264-6531



平成十五年度税制改正の主な改正事項について解説して下さい。
 また、この中で、組合や中小企業への影響も併せてお教え下さい。

平成十五年四月一日より、平成十五年度の税制改正が施行されました。今回の改正は、経済状況や環境を配慮して比較的中小企業者等にとっては重要な改正が行われました。今後の経営や経理処理に少なからず影響が生じますので、改正の内容とともに、適用期日等もあわせて確実に把握しておくことが必要と思われます。また償却関係等については選択適用の有利不利の判断が必要とされますので、試算による検討も必要かと思われます。

法人税関係

1取得価額三〇万円未満の減価償却資産の取得時全額損金算入

 原則として、減価償却資産は取得時に固定資産として計上し、一定の耐用年数に応じて減価償却を行うことにより費用化することになっておりますが、少額の場合には、取得時の全額損金算入制度が認められていました。
 従来は取得時の減価償却資産の取得価額が十万円未満、十万円以上二〇万円未満と二〇万円以上の三段階構成で取り扱いが異なっておりましたが、今回の改正で少額資産の全額損金算入できる最低額が三〇万円未満に引き上げられました。この取り扱いについては、地方税では改正措置がとられていないため、以前に実施されたいわゆるパソコン減税と同様な取り扱いとなっています。
 また、十万円以上二〇万円未満の場合には従来から一括償却資産として、三年間で均等償却し、償却終了後の帳簿価額は「0」となる制度がありましたが、今回はこの制度に変化ありません。法人税の扱いと異なり、地方税である固定資産税の場合には、この一括償却資産は課税対象から外されていました。従って法人がどの制度を適用して経理するかは、国税、地方税の取り扱い方では取得時のみならず、除却や売却処分するまでの経理処理の長期的判断が必要となると思われます。
 取得時損金算入の改正は中小企業者に限られ、平成十五年四月一日から平成十八年三月三一日までの間に取得したものに対して適用が受けられることになっています。

■少額減価償却資産



3年間均等償却
全額損金算入
取得価額
固定資産計上
10万円未満



10万円以上
20万円未満
×


20万円以上
×
×

償却終了後帳簿価額
0
0
取得価額の5%




固定資産計上
3年間均等償却
全額損金算入
取得価額
10万円未満



10万円以上
20万円未満



20万円以上
30万円未満

×

30万円以上
×
×

償却終了後帳簿価額
0
0
取得価額の5%


中小企業静岡(2003年 5月号 No.594)