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指導員の現場から
一考あり「企業内企業組合」



「創業支援プラザ」の開催

 去る三月五日、創業希望者等を対象に創業支援プラザを開催した。このプラザは、中小企業挑戦支援法が施行され、その中の企業組合制度の改正点、創業形態の一つとして「企業組合」という組織自体を会社と同じようにもっと県内のあらゆる人に知ってもらうことを目的に開催した。
 プラザ開催にあたっては、新聞、テレビ等マスメディアを通じてPRを行い、読者の皆様方も目に留めた方も多いと思うが、私もこのプラザの実働部隊のメンバーの一人として、一ヶ月半という短い準備期間の中でドドーンと人が集まるのかどうか心配したが、当日は若い人から中高齢者、男性ばかりでなく女性までも多く参加。総勢で四百名程の参加者に来場いただいた。
 このプラザでは研修会、交流会、展示会、相談会と盛りだくさんの内容で行ったわけであるが、研修会ではカリスマ経営者の迫力ある講演と企業組合の概要と事例発表。交流会、展示会においても関係者の皆様方のご協力により、創業希望者に企業組合等の様々な分野での活動を紹介し理解を深めていただき、また「創業の方法として企業組合を検討したい」あるいは「もっと具体的に知りたい」など当日のアンケート結果をみても、予想以上の成果を得ることができた。

新たな企業組合の活用を!

 今回の企業組合制度の改正により、法人も組合員になれることで資本と信用の充実が図られ、個人エンジェルの投資や従業員の雇用をしやすくするようになったわけである。しかし私は今回の改正でもっと既存企業等が注目し、検討していただきたいのは、既存企業が企業内・外の人材を積極的に活用し、新たなビジネスチャンスの開拓に企業組合の活用が有効であるという点である。
 いま私共が相談を受けている中でも、景気の低迷で一年を通じてコンスタントに受注を受けるのが難しく、どうしたら固定費を変動費化していったらいいのか、特に大企業のように簡単にリストラできない中小企業にとっては、人件費が大きな悩みの種となっているという企業が多くみられる。
 そうした状況の中で、これからは企業内に人材を抱えるのではなく、社員の眠っているアイデアと少しでも独立心のある従業員には「のれん分け」を行い、新たな企業組合作りを支援し、それに既存企業も組合員として加わり、製造業で社内外注という形態があるように、「企業内企業組合」のような形で既存企業と企業組合が良好な関係を保ち相乗効果を上げ、またリスク分散も行いながらビジネスチャンスを広げていく方法として企業組合の活用を考えてみていただきたい。
 平成十五年度もスタートして早一ヶ月。設立担当者として今年度は、創業支援プラザの参加者や組合・業界関係者等の「お客様のこころ」をしっかりと捉え、設立目標に向かって邁進していきたいと考えている。
(鈴敏)


中小企業静岡(2003年 5月号 No.594)