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▲中国研修生との楽しい交流

研修生の受入れはカルチャー


 
もう一つの事業の柱は、外国人研修生の受け入れ事業。きっかけは、昭和五七年の県と中国浙江省との友好協定。組合の代表がその後のセレモニーに参加した折、建設業界として交流の打診があり、戦前の日中間の不幸な関係の罪滅ぼしの意味もあり、機械施工の訓練を提案した。
 研修は、受け入れ機関で日本語研修などの基礎的な研修を終了した研修生を対象に、建設学院での集合研修を実施する。その後、受け入れ事業所において、現場でのOJT訓練を実施している。これまでに受け入れた研修生の総数は、約二〇〇人。集合研修では、重機の走行の初歩から始め、作業装置の操作、機械のメンテナンス、測量・製図などを研修する。その後、各受け入れ企業で、土木工事現場で使われる機械の操作や、工事に応じて投入される建設機械の種類、大きさ、台数、それらの複合的な組み合わせを理解できるよう実施されている。
 専門工事業者とその団体が、厳しい経済環境の中で「日中友好」を基盤に同じ土木工事に携わるものの連帯として、継続的に取り組んできている。組合では、受け入れ事業を「エコノミー」でなく「カルチャー」と考え取り組んでいる。しかし、入国管理法の大幅な変更や改正により、受け入れ期間の短縮など充分な研修ができない。全国団体を経由しての受け入れによる煩雑な書類作成など新たな課題も生じている。



二一世紀の国際貢献

 
激動の二〇世紀は、地球上に度重なる戦争の惨禍、大量殺戮兵器の開発、地球環境の破壊などの大きなマイナスイメージと二一世紀への負の遺産を残した。さらに、二一世紀は、ニューヨーク「貿易センタービル」で罪のない人々を巻き込んだ大量殺戮テロ行為でスタートした。
 「日本は、『普通の国』として金は出すが血は出さない。だからダメだという人もいるが、世界に貢献する方法は幾らでもある。建設業界ができる貢献の中でも、組合が取り組む技術移転は非常に有効な手段と考えている」と山川専務は今後も積極的に国際交流を進めたいと話す。


中小企業静岡(2001年 10月号 No.575)