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顧客の立場で
商品開発を
分析機器校正協同組合 理事長

加藤 恒雄
 

県の機関からの要請で研究に着手
 昨年四月に設立された、異業種の企業で研究開発を行う融合化組合の理事長。組合では医薬品等の品質管理に必要な分析機器の校正(誤差などの経年変化をチェックすること)装置を開発するための研究を行っている。
 本業は理化学機器の製造・販売を行う(有)キョウエーの社長。今取り組んでいる研究は、会社の顧客である県の研究機関からの要請がきっかけだった。
 「平成六年に薬事法が改正され、医薬品の分析機器の校正が義務づけられました。しかし、それまで国内には専用の校正装置がなかったため、対応に困っていた中小の医薬品メーカー向けの校正装置の商品化を依頼されたんです」
 一社では資金的にも人材的にも難しいため、異業種の企業との共同開発の道を検討。そこで知ったのが融合化組合の存在。県の中小企業大学などを通じて知りあった企業に呼びかけ、組合を設立した。
 組合では、八年度から新商品などの開発に取り組む融合化開発促進事業の助成を受け、開発を進めている。
 「多くの方に助けていただいて何とか軌道に乗ってきました。ぜひとも装置を開発し、販売やレンタル、校正の代行サービスができるところまで進めていきたいですね」と意欲を見せる。
顧客の代理人になりたい
 昭和六三年、父親の経営する(有)共英に入社すると同時に、それまで勤めていた会社と同じ理化学機器の製造・販売業に事業転換する。
 「化学の分野の仕事が好きだったので…」とこの業界を選んだ理由を語る。
 “顧客の代理人となり、良品を提供する”ことが営業理念。
 「大手メーカーの代理店としてその会社の商品を販売するのでなく、顧客の立場に立って、ニーズに合った商品を提供することで信頼関係を築いていきたい」 今回融合化事業に取り組むことになったのも、こうした経営姿勢の表れだろう。趣味は登山やスキューバダイビング。
 「日常から離れて自然の中で開放感を味わえるのがいいんです」という。
 ただし、組合事業が本格化した今は、「忙しくて休みがとれない。たまには登山でもしたいんですが」と苦笑する。
 昭和二三年三月生まれ 牡羊座
 
 

 


中小企業静岡(1997年 2月号 No.519)