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  まちおこしに
熱意を燃やす
企業組合ニートリィ 理事長

渡辺 妙子
 

県内初、女性だけの企業組合
 昨年八月、中川根町の農家の主婦十九人で設立した企業組合の理事長。
 組合では地域特産のヘチマを使った自然化粧品の開発と販売を行っている。
 以前から任意グループで活動してきたが、販売力の強化を目指して法人化した。組合員が女性だけという企業組合は県内では初めてであり、これをまとめる手腕が期待されている。
 「ヘチマ水は美顔効果が高く肌に優しいため、昔から化粧水がわりに使われていました。これを婦人会の研修会で配ったところ好評だったので商品化しようということになったんです」
 扱う商品は任意グループ当時に開発された化粧水やクリームなど四種類。これまでは地元を中心に販売していたが、利用者の口コミによって売上は増加、全国から注文が舞い込むようになった。
 「“初めて自分に合う化粧品に出会った”という声もいただいているんですよ」とその品質に自信を見せる。
町ぐるみで商品作り
 「中川根町も特産のお茶だけに頼っていてはダメ。地場産品のヘチマを使った化粧品でまちおこしのお手伝いが出来れば…と考えています」
 原料となるヘチマの栽培は町民に依頼し、そこから採れるヘチマ水を組合で一括購入。
 「栽培をお願いしている方の中にはお年寄りも多く、これを生きがいにしていただいています。組合が実績を上げることで、この町を元気づけられたらいいですね」と今後の活動に意欲を見せる。
 本業はお茶や椎茸などを作る農家。
 「十年前までは農業のことしか知りませんでした」という。
 しかし、町の婦人会役員を務めたのがきっかけで地域の活性化を考えるようになり、化粧品の開発・販売や、町の特産品販売所『四季の里』の開設に携わった。 現在、組合理事長のほかに『四季の里』の役員やここで販売される菓子の製造に携わるほか、町の行政相談委員など、多忙な毎日を送っている。
 好きな言葉を訪ねると、即座に「やれば出来る!」。何事も実践する行動力があればこそ、この言葉に実感がこもる。
 趣味は手芸。日本舞踊にも挑戦したいというが「今は忙しくて無理」と笑う。
 
 

 


中小企業静岡(1997年 1月号 No.518)