静岡県中小企業団体中央会Shizuoka Prefectural Federation of Small Business Associations. |
昭和43年10月1日 |
CHUOKAI MONTHLY 2008 March No.652 地域づくりに貢献、なくてはならない商店街におおいがわAkindo事業協同組合
3つの指針を、法人化で実践“箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川”と唄われた東海道屈指の難所、大井川。そんな大井川が西に流れ、南は駿河湾を望む、静岡県中部地区に位置する大井川町。 当組合は、この大井川町の商業・サービス業者などで、平成15年に設立された。 「平成10年、町に大型ショッピングセンターが出店。それ以降も隣接する島田市、焼津市などへ郊外型大型店の出店が相次いだ。長引く不況と重なり、地元商店の売上は激しく落ちこむようになった」。池谷理事長は、設立当時の経営環境をふり返る。 こうした状況を打開するために、大井川町・商工会・商業者が一体となり、町の助成金や商業者自らも資金を出し合うことで、商業活性化の研究に取組んだ。 その結果、次の3つの指針を策定した。(1)消費者に利便性を提供し、積極的に地域づくりに貢献する。(2)地域になくてはならない存在として生き残る。(3)既存の3商店会の枠にとらわれない、合同したイベントを実施する。 こうした指針を実践するために、「Akindo商店会」を立ち上げ、観光・商店マップの作成などの共同事業を進めてきた。 「大井川町は、相川村・静浜村・吉永村の3村が合併して発足した町である。そのため、商業集積は旧3村に分散している。こうした分散する商業者が一体となり、消費者の利便性を追及する販売促進活動を、さらに広げていくために法人化に踏み切った」と理事長は、組合設立の目的を語る。 工夫を凝らしたイベントを展開組合は、消費者に利便性を提供し、地域になくてはならない存在となるために、積極的に販売促進事業を行っている。 その一つは、買い物金額に応じてポイントを付与する「Akindoカード」という名称のポイントカードシステムである。カードは満点方式を採用。満点となったカード1枚は、500円の買い物券として利用できるほか、東京観劇ツアーやグランドゴルフ大会など、工夫を凝らしたイベントにも参加することができる。 さらに、法人化したことで、組合員の店舗で利用できる、共通商品券の発行もスタートさせた。 「イベントなどは委員会を中心に熱心に検討され、利用者の好評を得るようになった。商品券は町の理解で、発行当初から敬老の日のプレゼントに利用されている。2つとも地道な努力の結果、徐々に地域に浸透しており、組合員の販売促進につながるようになった」。 理事長は、組合活動の成果を語る。 組合が地産地消を推進現在、大井川町では、官民一体となり、地元で生産された農水産物を利用した、地産地消の取組みを行っている。その1つに、町産の小麦や駿河湾海洋深層水などを使用し、地元の醤油醸造工場で製造される、こだわりの醤油「うめえぞこれは」がある。 組合では、冒頭の指針の1つである“地域づくりに貢献”を実践するために、この商品を共同購入し、組合員の店舗やイベント会場などで、積極的に販売している。 「我々は、地域に密着した商業組織として、様々な事業を展開することで、町の活性化に取組んでいる。地産地消の推進は、安全・安心の追求にもつながる。積極的に販売することで町を大いに盛り上げていきたい」と理事長は、地域振興に果たす役割を力説する。 “Akindo”とは?地方分権の時代の流れを踏まえ、大井川町は、本年11月1日、焼津市との合併を控えている。 「焼津市にも多くの商店街が存在している。そうした商店街とも十分に話し合いを行い、消費者の利便性を高める部分で連携を図っていきたい」。理事長は、合併後の連携に期待を寄せる。 組合名称の1部である“Akindo”は、商人(あきんど)から付けられている。 「Akindoは、英語の“kind(親切な)”と“do(行動)”に置き換えることができる。今、組合では高齢者などのための宅配事業を研究している。これからも名前に負けないように、地域のために、思いやりがある親切な行動を起していきたい」。由緒ある精肉店を営む理事長は、今後の組合活動にかける想いを熱く語った。
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