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事務局 多士済々

事務局の立場から組合の意義を見つめ直す

静岡県電機商業組合
事務局長 小山公彦氏

平成15年、県下約700の家電小売店で組織する商業組合の事務局長に就任した。

「ここ三代の事務局長は、組合員とのつながりが深い家電販社出身者が就いているんですよ」。

だが、それだけではない。企業で磨いた営業センスと、同世代に比べ、IT分野にも抵抗なく馴じんでいることが、理事長の目にとまり、強い引きがかかった。

就任早々、携ったのが「アナアナ変換」工事の事務管理だ。平成23年、全てのテレビ放送がデジタル化される。これにあわせ、新たに放送チャンネルを確保するための工事が「アナアナ変換」。組合 では国の委託を受け、足掛け三年に亘り、県中西部地域の対象世帯に工事を実施した。

「工事の進捗状況を集計し、発注先に毎日報告するのですが、これが膨大な量で正月も盆もないくらいの忙しさでした」と慌しかった就任直後の3年間を振り返る。

就任5年目を迎え、組合の意義を事務局の立場から見つめ直す。

「街の電気屋は消費者に身近な存在。屋根裏から床下に至るまでそのお宅の隅々まで熟知していなければ、配線工事もできない。自宅の鍵を預け工事や搬入を頼むお客様もいるほど。信頼度は抜群です」。

大型化や多機能化が進む家電製品。これらの搬入・据付けや取扱説明、アフターケアなど地域に密着した組合員の活躍の場は、今や家電販売の範疇を越え多岐にわたる。

「多くの組合員が家族経営で高齢化も進むなど厳しい環境にありますが、今後は大型家電の搬入を共同で行うなど、横の連携を更に強めていくことがとても大切ではないかと思います」。

趣味は多彩だ。クラシックやジャズのLPを東京や名古屋に買い求め、真空管アンプで堪能。ドイツ製二眼レフカメラを駆使し、風景を収める。所属する男声合唱団では最低域のバスで“吼える” 。

「お酒? 酒にまわすお金は、ぜんぶ趣味に化けちゃったよ」。