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寄稿

特許って、どのくらいコストがかかるの?

情報サロン味岡 サーチャー
味岡 美豊子(あじおか みとこ)
〒430-0903浜松市植松町59-16
TEL/FAX 053-464-4032
http://homepage3.nifty.com/salon-ajioka/

 

特許や商標を出願するにあたって、まずは他社で先行して出願している特許や商標を調査します。そして出願に値する案件だと判断した場合” いざ出願!“となるわけです。さて、そのとき知りたいのは「特許や商標を出願するって、どのくらいのコストがかかるのか」です。当事務所でも皆様からよく訊かれる質問です。

出願にあたって最低限必要なのは「特許庁へ支払う料金」です。そして「弁理士へ依頼した場合に支払う料金」も必要になる場合が多いでしょう。さらにできれば「特許訴訟などになった場合に弁理士や弁護士へ支払う料金」も知りたいところでしょう。今回はこの三点をご紹介したいと思います。


特許庁へ支払う料金

まずは、特許庁のホームページの「手続料金自動計算システム」をご紹介します。まずはインターネットで「手続料金自動計算システム」のページを開きます。次の二つの方法から、どちらかで開いてください。

(1)「手続料金自動計算システム」 http://www.jpo.go.jp/tetuzuki/ryoukin/shutugan.htm を直接開く。

(2)特許庁 http://www.jpo.go.jp/ を開く

「出願から審査、審判、登録まで」クリック

「手続料金自動計算システム」クリック

では、さっそく料金を見てみましょう。

特許出願の場合

「出願料」の項目の右側に「料金表」とあります。ここをクリックすると「出願関係手数料一覧」のページが表示されます。「特許出願」は「16000円」です。

そのほか実用新案や意匠の出願料金もこの表で分かります。

でも、チョット注意して見てください。ページの下のほうに「(四)商標」があります。ここには「商標登録出願6000円+(区分の数×15000円)」とあります。初めて出願するかたにとっては、これって「?」ですね。

商標出願の場合

ここで初心者のかたにとってよく分からないのは「区分の数」でしょう。

商標を出願するときは、その商標をどんな「商品」またはどんな「サービス」に付けるのかについて、商品分野またはサービス分野を指定して出願します。その指定をするために、商品やサービスが法的に分類されています。この分類を専門用語で「区分」といいます。

現行の商標法では、商品及び役務の区分が第1類〜45類に分かれています(※1)。この「区分(=第○類)」を、いくつ指定して出願するか、で料金が変わります。

例えば「椅子」に付ける商標なら、椅子の区分は「第20類」の「家具及びプラスチック製品であって他の類に属しないもの」です。さらに「椅子の修理」のサービスも同じ商標で行うのならば、「第37類」の「建設、設置工事及び修理」もそうです。

ここで「第20類」と「第37類」の「2つの区分」を指定して出願しますので、これを先の計算式に当てはめると「6000円+(2×15000円)」で、答えは「36000円」です。

(参考)自動計算方法:最初の「手続料金自動計算システム」のページ下方の「OK」ボタンを押す→「商標」のラジオボタンをチェックして「OK」ボタンを押す→「2.区分の数」を「2」にして「OKボタンを押す→「36000円」が表示されます。

特許の出願審査請求料

特許も、特許出願料は「16000円」ですが、審査請求の場合などは「請求項の数」によって料金が変わります。この「特許の審査請求」も初心者のかたには「?」だと思いますが、特許は出願するだけでは権利にはなりません。権利化にあたっては、特許庁に「出願内容の審査」をしてもらわないといけません。この「審査の請求」に改めて料金がかかるのです。

たとえば平成16年4月1日以降に出願した特許の審査請求の料金は「168600円+(請求項の数×4000円)」です。

なお初心者のかたには「請求項」という言葉もよく分からないかと思いますが、特許の出願は、日本国特許庁に対して「これこれの技術に対して特許権を請求します」ということを出願書類に書きます。

この「特許権を請求する技術内容」を、いくつかの「項目」に分けて書きます。たとえば、こんなふうです。

【請求項1】・・・を実行する・・・の装置であって、・・・を備え、・・・に応じて・・・を設けたことを特徴とする・・・装置。

【請求項2】請求項1に記載の・・・装置において、・・・を取付けたことを特徴とする・・・装置。

【請求項3】請求項1に記載の・・・装置において、・・・が・・・であることを特徴とする・・・装置。

などのように記載していきます。この請求項をいくつ記載したかが「請求項の数」です。

なお、これらの料金は法改正によって変わることがありますので、必ず特許庁のホームページなどで「最新の料金」を確認なさることをお勧めします。

しかし、「区分」などと言われても自分ではよく分からないし、出願書類も自分で書いてる余裕はないし、特に特許出願の書類は専門家に書いてもらいたいし・・・。というわけで、次に弁理士へ依頼した場合の料金をご紹介しましょう。