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くみあい百景




▲当初に比べ食堂利用者は倍増の
組合アンテナショップ“あじや”

組合直営店『あじや』が五周年

 沼津港の新名所、組合アンテナショップ『あじや』が沼津ひものの人気を裏付けるように好調だ。本場ひもの食堂や生産者価格で販売するコーナー、沼津のひものの歴史、製造過程のライブラリー、ひもの作り体験コーナーなどを併設したのが特徴だ。平成十二年オープン以降、じわじわと口コミで品質の良さ、安さが広がり利用者が徐々に増加。展望施設のある同港大型水門「びゅうお」が完成した昨秋以降さらに伸び、開設初年度と比較して食堂利用者は倍以上の勢いだ。
「東京など各大消費地で行う展示即売会で、顧客から沼津ひものの入手方法、食事場所の照会が殺到しました。組合員により、ひものアンテナショップ“あじや”開設への気運が盛り上がったんです。オープン後は、良質で安全、五百円と安いひものを食事できる事で顧客が確実に増え、評判も上々です」と喜ぶ川崎幸雄理事長。
「おかげさまで、オープン当初から口コミで評判が広がり、一日平均六十食から、今では最大百六十食と食堂も大盛況のにぎわいです。今後、経営管理を含め総合的にサービス体系を見直しながらリニューアルを図りたい」と川崎幸雄理事長は期待を膨らませる。


▲「組合事業の安定と
 組合員への経営支援
 サービスを積極的に
 図りたい」と話す
 入野興暉専務理事


▲「常に時代を見越した
 組合運営を図って
 いきたい」と
 川崎幸雄理事長は
 熱をこめる。


環境に対応した事業再構築

 昭和四十六年、当組合が、関東圏の卸市場に共同出荷する商品を、県東部貨物運送協同組合に一括発注・配送依頼する契約を締結した。
 当組合員は、運賃高騰化、県貨物組合は、不安定な需要という経営課題を、組合間連携により両組合が一ぺんに問題解決した革新的なできごとだった。
 組合同士の業務提携は当時県下でも初めての画期的なこと。当組合も自身の経営資源を効果的に活用し成功した事例の一つである。
 現在、組合は水産庁補助事業「水産加工地域再生強化推進事業」の企画・計画作成を、行政関係者、水産関係者とともに会合を重ねている。中央会とも連携し、マーケットモールの施設整備の検討やグランドデザインを構築中である。
 「組合事業の安定、発展と組合員支援サービスの充実を積極的に取り組んでいきたい。組合員の経営及び技術の改善向上、販路開拓等ソフト面のサービスの充実に特に努めてまいりたい」と入野興暉専務理事は抱負を語る。
 「古い業界にありながら、組合は、発泡スチロールの導入や当時最新の共同冷蔵庫の設置、アンテナショップ開設など事業に新しい手法を取り入れてきた。組合は、時代を見越し常に先見性のある運営を行ってきたと自負しています。今後も沼津あじのPRを重ね、地域ブランドの発展拡大を図っていきたい」と川崎幸雄理事長は熱をこめる。




中小企業静岡(2005年11月号No.624)