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 特 集 
 レポート 
 「くみあい百景」 
 編集室だより 



くみあい百景




▲会員になると料金の割引や
 様々なサービスの特典が付
 いている…組合パンフレット


▲「地元業者の利点を最大限に
 活かしたい」と語る高橋理事長

町内葬儀の二割強を受注

 事業は引出物、仕出し料理、花輪、生花、墓石、搬送などを含め、葬祭と法事に関する共同受注と取扱品の受注あっせん。 
 十四年度は立ち上げから十五年三月までの九ヵ月で十七件の葬儀を受注。十五年度は十六年二月末までの十一ヵ月で三八件と着実に実績をあげている。
 現況について、高橋理事長は「町内約二○○件の葬儀を大別すると、農協が六割、セレモニーホールを各地に展開する郡内の冠婚葬祭業者が二割、組合が二割といったところ。徐々に町内に存在が浸透してきている手応えは感じています」と話す。
 安定需要と町民サービスのため会員制度「愛ハート倶楽部」も開始。入会金一万円のみで、年会費なしの終身会員制。料金割引や様々なサービスの特典が付いている。十六年二月末の会員数は三八四名で、こちらも順調に効果をあげてきている。
 葬儀を受注した場合、町内で喪主と同じ地区の組合員一名が責任者となり葬儀を指揮する。 組合員もそれぞれ、通夜・葬儀の駐車場の交通整理、火葬場・本膳の手伝い等、手分けをして隣組と一体になって行動する。 理事長は「地域密着による手際良いお手伝いを真心こめて行う、がモットー。身近な地元業者がいろいろな場面で一所懸命やってくれた…ということで認知を深めていきたい」と言う。 組合内には引出物・料理・生花と三つの部会を設置。特に組合員の多い引出物部会は、商品の均一化を保つということから喪主がカタログから選んだ商品を部会として購入して納め、その実績を均等配分する方式を採っている。また、広告宣伝では横一八○ cm、縦九○cmの野立て看板を町内三○箇所に設置し、認知度アップに努めている。

イベントホール建設を計画

 今後の経営戦略について理事長は「消費者ニーズに応え、シェアをあげるには会館(セレモニーホール)建設は不可欠。設備投資やランニングコストなどの資金問題はあるが、建設計画を実現したい。異業種の集まりで業種毎に利益率格差もあり、負担についても「平等と公平の使いわけ」が難しいが、調和を保つために努力していきたい。
 採算ベースに乗せるにはシェアは四割を確保、そのためにも会員の増強を図り、この三年で一○○○名超にしていきたい。 
 また葬儀だけでなく、他のイベントもできるコンベンションセンターに近いイベントホールを考えていきたい」と語る。
 組合では既に、ホール建設地に目途をたてている。ホールが将来の町のイベント、活性化の中心施設となるべく、受注した葬儀の実行を通して、ノウハウの蓄積に力を注いでいる。




中小企業静岡(2004年4月号 No.605)