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強い関心を示すが、情報不足が壁に
「静岡県内組合の行政サービス受託等の実態と意識調査」より
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近年、公共サービスや公共施設の運営などを民間に委託する動きが盛んになっています。
こうした中、組合が行政サービスを受託している実績の有無や意見を把握するため、中央会会員組合を対象に書面調査を実施しました。
その結果からは、強い関心を示す一方で、情報不足から対応に苦慮する組合・事業所の姿が浮かびあがっています。
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民間活力の積極的な導入は、行政サイドからは、行政コストの低減とサービスの向上という点で民間のノウハウに期待を大きくする一方で、民間サイドでは、新たな業務の獲得や業務範囲の拡大など、新たなビジネスチャンスとして期待されています。
また、地域の中小企業者の結合体である組合組織は、地域で培った専門的能力が蓄積されているだけでなく、地域発展のために奉仕し貢献するという公益的な理念を持つ組織であり、行政とパートナーシップを維持するための能力を有していると考えられます。
ここに掲載したのは「行政サービスのアウトソーシング(組合活用)への対応」についての研究の一環として行なった調査の一部ですが、新たな組合事業創出のヒントとなれば幸いです。
調査対象 中央会会員組合 一、一〇七組合
調査方法 郵送によるアンケート方式
調査時点 平成一五年一二月一〇日
回答数 三二九組合(回答率二九・七%)
・行政サービスの受託経験のある事業所は「建設」「環境」「福祉」業界に多い。これらの事業所は今後の行政サービスの民間委託にも強い関心がある。
・行政サービスの民間委託を進める事業者の中には、諸般の理由から民間委託が実現しておらず対策に苦慮している事業者もある。
・行政側が求める民間委託の効果と民間が訴求する強みに食い違いが見られる。
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I 行政サービス受託の実績
受託した行政サービスの中で、最も多い回答は住民インフラの整備・管理の分野であり、道路・河川・港湾等の維持管理・清掃が最も多い。
これは地域の建設業者とその組合が建設・整備にかかわり、工事完了後も管理業務を行っていることが理由と考えられる。
続いて受託実績のある分野は「環境衛生分野」、「住民の福利厚生分野」、「住民福祉分野」であり、特に福祉関連、環境衛生関連は関連法制度の整備が近年あったこともあり、民間受託は比較的進んでいるといえる。
「住民の福利厚生分野」では、公設駐車場・駐輪場、保育所、セレモニーホールの運営等が回答に見られた。これら施設の運営は市町村によって対応が異なり、これらの事業を民間委託していない市町村にとっては、民間委託の先進地例となる。今後、行政サービスの受託を希望する事業者にとっては、価値のある情報である。
なお、組合による受託のグラフにおいて「その他」とされている回答には、危険物の処分・古紙回収、道路・河川の除草業務委託、行政の行うパソコン教室の講師、市立小中学校への給食の配送などがあげられている。
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