ナシ、りんご、モモ、ブドウ、カキ、ミカン…。秋ともなると、くだもの屋の店頭は色とりどりとなり、人々の心を豊かにする。「柿食えば…」の俳句でもお馴染みのように、たわわに実った柿の実が夕日に映えるのは、日本の秋の美しい光景の一つでもあった。
 ところが、冷凍技術、防腐剤、缶詰、そして栽培技術の発達は食物から季節を奪い、日々の暮らしのなかでの、季節の移ろいとくだものの彩りの密接な関係は徐々に遠のいてしまったようにも思える。
 今月の表紙に描かれているのは、最近ではあまり見かけなくなってしまった干し柿。晩秋の空の下、頬を撫でるさわやかな秋風に揺れるその色は、旬の時期のくだものとはまた異なる趣きを見せる。軒先からいっぱいに干し柿を吊るした縁側で、子供たちの表情は明るい。毎日見上げながら、「早く食べたいなあ」といっている声も聞こえてきそうだ。
 干し柿は、言うまでもなく、皮を剥いた渋柿を天日に干すことで渋味を特有の甘さに変え、貯蔵性をもたせた食品。時間の経過と自然が渋さも甘さに変えてくれる。
 人間も熟すると…となればいいのだが、残念ながら人も中小企業も組合も変わっていくのには強い意志を要し、その変わるべき時期も既に迫っているようだ。 〔敏〕




中小企業静岡11月号(通巻588号)

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中小企業静岡(2002年 11月号 No.588)