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「まちの起業家」の時代へ

誕生、成長発展と国民経済の活性化

― 2002年版 中小企業白書のポイント ―

 2002年度版中小企業白書のメインとなるテーマは「まちの起業家」。
中小企業が成し遂げる雇用の創出やイノベーションが、日本経済再生の旗手と位置づけている。
1980年代のどん底にあった英・米両国が企業減税、規制撤廃、開業支援など振興策の結果、「まちの起業家」が多数輩出し、経済活性化につながった先例を参考にしており、わが国でも個人や小規模企業の新しい発想・工夫を、創業・新事業に実現できる環境整備の必要性を訴えている。



小規模事業の起業家を地域活性化や雇用創出の主役に
―破綻経営者の再挑戦にも言及―


 全体を概観すると、今回の白書は二部構成をとり、次のような点を特色としている。
 中心となる第二部では、海外の事例を念頭におきつつ、誕生・発展成長といったライフステージごとに中小企業が直面する課題を抽出し、その特徴を分析。さらに、従来は必ずしも明らかにされてこなかった破綻企業の実態について調査することにより、いったん破綻した経営者が再度起業するに当たっての障害を明確にし、失敗しても再挑戦しやすい環境整備を整えるべくその課題をあげている。

1.白書の構成

第一部「最近の中小企業をめぐる動向」
・景気後退下の中小企業の動向―景況、生産、設備投資、資金繰り、倒産動向等―
・製造業の海外進出と国内中小製造業 他
第二部「誕生、発展・成長する存在としての中小企業」
・中小企業の誕生、発展成長と経営革新
・廃業・倒産とその教訓
・中小企業金融の課題
・中小企業の創業による雇用創出
・「まちの起業家」と経済活性化(欧米の教 訓)

2.特色

1.中小企業をめぐる現下の厳しい状況(景況、生産、倒産動向等)について分析。
2.金融機関の業態別に中小企業に対する資金供給で果たす役割を分析し、不良債権の存在が中小企業向け貸出に与える影響等を検証。
3.「今後五年間で創業倍増」という平沼(経済産業大臣)プラン達成に向け、実際の創業者(年間十八万社)のみならず、一二〇万人余に及ぶ創業希望者にも分析を拡げ、創業に至る途を模索。
4.廃業、倒産という会社経営の「失敗」について白書として初めて分析し、廃業経営者の実態調査を通じ、再起の条件を模索。
5.八〇年代以降欧米においては、いわば「まちの起業家」が多数輩出され、それぞれのイノベーションや雇用への効果はささやかであったが、全体として経済活性化に大きく寄与したため、わが国においてもこうした状況の創出が課題である旨を提示。
 以下、主な概要をデータとともに抜粋してみると…。


中小企業静岡(2002年 6月号 No.583)